読書感想-BL小説-『春になるまで待っててね/伊達きよ』
こんにちは、falです。
今回は、伊達きよ先生の「春になるまで待っててね」(イラスト:犬居葉菜先生)の読了記録です。
初めましての作家さんでした!
優しげなタイトルだし、犬居先生の描くケモさん達のファンなのもあり、ずっと気になっていたのよね…!
(犬居葉菜先生の漫画「狼への嫁入り〜異種婚姻譚〜」は、とても素晴らしいケモが摂取できますのでケモ好きの方には大変オススです。)
結論:読んでよかったあああ〜
熊獣人のディビスとリス獣人のリックの話。
ふかふかともふもふの間にふわふわを挟んでそれをぬくぬくで包み込んだかのような圧倒的ふかもふの世界。夢の国かと思った。
でもやっぱり生きていくというのは並大抵のことじゃなくてね…
多種族が共存している社会でのシビアな側面もありました。
みんなが幸せで嫌なことなど一つもない夢の国なんてものは、どこにもないからこそ夢の国なのよね。
セリフや描写がコミカルな部分もあり、小説を読んでいるというよりアニメをみているような気分でした。
リックがぴょこぴょこしててかわいかった〜
おっとりと真っ直ぐなディビスも抱きつきたいかわいさあったよ
幸せは、触れるととても暖かい事を、リックは知っている。
一生懸命生きている命、全員いとおしいです。
穏やかな眠りに包まれている時のような暖かい心地よさがあって、幸せな時間だったな。
ハートウォーミングになりたい夜に、柔らかい毛布をかき集めてぜひ。
そろそろ涼しくなってきてるし、冬仕様のもふもふシーツに変えるのがますます楽しみになっちゃったな。
▼これよりネタバレあり
もふもふともふもふが仲良しこよししててハッピー指数爆上がりした。
冬眠でぽやぽやの二人がぎゅうぎゅうしてスヤスヤするって、なん、こんなにもふもふ浴びて大丈夫?って心配になったけど、仕事でくたばった日にまた絶対みようと決めました。
小型獣人にとって本当に生きづらい社会の中でひとりで生きていける事を第一優先にがんばってきたリックが、とてもとても立派だけど子どもみたいで、かなしいのか愛おしいのか、なんかぐちゃぐちゃになりかけた。
遊園地でのはしゃぎぶりとか見てたら本当にかわいくて、知らなかったんだな、楽しそうだなって思ったら苦しくて、でも、何もかなしいことはないんだよね。
だってこれからディビスとたくさん楽しいことをするし、行ったことのない場所にだってたくさん行くし、驚くことも笑っちゃうこともたくさんあるんだから。
いたいけな子リスに悪いことしてるみたいって唸ってたディビスさんの気持ちちょっとわかるかも。
リックが使うことになった冬眠用の部屋にリスのぬいぐるみを準備しておくとか、寝ているリックの周りをぬいぐるみで囲むとか、ディビスさんの発想がかわいくて苦しかった。
ディビスが、この世界に蔓延る差別や理不尽を認識していて、リックに誠実に対等に向き合おうとしているのが素敵だったよ。
たぶん他の種族に対してもそうなんだろうな、彼は。
生まれ持ったものの違いをありのままに受け止め尊重する世界に生きていたいよね。
伊達先生のあとがきの言葉を読んで、この作品が優しくて温かい理由がわかりました。
他の作品も読んでみよ。
ベストほほえましシーンは、行ってみたい場所トークの時に、リックが尖らせた口をディビスがつまんで「リスなのにアヒルみたいだ」って笑ったら「ぐわっぐわっ」ってノるからもっと笑っちゃったシーン。HP全回復した。