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読書感想-BL小説-『獣の誓いと水神の恋/野原滋』

こんにちは、falです。
今回は野原滋先生の「獣の誓いと水神の恋」(イラスト:奈良千春先生)の読了記録です。

猫族の母と人族の父をもつリュエルと、キャラバン隊の用心棒エイセイの話。
ファンタジーBL大好き芸人の血が騒ぎますね〜

そして更に奈良千春先生のイラストときたもんだ!もう最高。
夜光花先生の薔薇シリーズや少年シリーズ、沙野風結子先生の帝は獣王に降嫁するシリーズ、などなど奈良先生のイラストとファンタジーの世界観が合わさった時の幸福感たるや…背景や衣装の描写も本当に素晴らしいのです…
しかもやばいよ、今作、キャララフギャラリーつき…!
(私は電子版で読みましたが紙本にも収録されているのかしら)
静かに合掌いたしました…

野原先生の生み出すキャラたちは、性格は様々だけれど、みんな心の一番大事なとこに芯がスッと通っていて、見ていてとても気持ちがいいんですよ。
安心感がある。
リュエルの中にも、単純・健気というのとは少し違うような真っ直ぐさというか、純度の高い魂を感じました。
あとやっぱ、お耳としっぽは最強チャームポイントね。

エイセイは個人的にお姿が好みドンピシャりだったもんで、どんな人なのか気になりまくりで読んだから初登場シーンとかワクワクしましたわい。

二人の抱えた秘密が明らかになっていくのも楽しくてページ捲るの止まらんでした!

ネコチャンの毛並みを思い浮かべてハッピーになるタイプの方、ぜひ〜。


▼これよりネタバレあり




黒髪・長髪・鋭めの目もと・感情のでなさそうな口もとに、ああ好みだ…とうっとりしていたので、登場された時には、どのような殿方なのでしょうとそわそわして読み進めましたよ!
リュエルの耳を触って一言。

「ふむ、ふわふわだ」

あ、はい、はァ〜い!ふわふわという語彙をお持ちで〜〜〜!
好き。と思いました。

ぺたんってなっちゃったリュエルの耳を持って「元気を出せ」ってピコピコ動かすしさ〜。愛おしむ心がダダ漏れに漏れちゃってんのよ…ありがとね

「なあ、エイセイ」っておねだりするリュエルももちろん愛しい生き物だったけど、結局それに(自覚あり状態で)絆されるエイセイもとても愛しい生き物だったよ。
「馬鹿」が「愛してる」に聞こえてたの私だけじゃないよね?

そして何より、リュエルがそんな風におねだりできるようになったことが…よかったねほんと…
奴隷という扱いの中でリュエルの価値観そのものが支配されているのが悲しかったし、そんな風に自分の根に近い部分から変更(順応、矯正…)しなければとても生きていけない社会なんなん?と、つらさ味わいました。

だからこそ、それでも他者の喜びや悲しみを見ようとする目や、受け止めようとする心を失わないリュエルが尊かったよ。

キャラバンに入って間もない頃は、(エイセイの)大事なものならば自分には託さないかもしれないって考えてたリュエルが、エイセイの1番大事なものは自分か?って聞けるまでにリュエルそのものの声を取り戻せているのがほんとよかった…
ガガリキャラバンのケア機能ハンパねぇ。
僻地の集落を支援するのも理由あるんだろうなとか、本心を明かす相手居るのかなとか、ガガリ隊長のことも気になりすぎて、なんて魅力的な男なんだと思った。

リュエルは猫族と人族の混血であること、エイセイは神宿る石を身に秘めたおそらく唯一の生き残りであること、二人ともきっと、自分は一人きりだという孤独に寄り添われて生きてたじゃんね…
何もかも全く違うのに共鳴したのは、石の力の他にそういうのもあったんじゃないかな。
リュエルは人族の血を引くことを誇らしく思えるようになったし、エイセイはリュエルと一緒に人を助けることができるようになった。

大事な相手と出会えたことで自分のことももっと大事に思えるって、この上ないラブハピじゃん。ほんとありがとね

末永くお幸せに!!

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