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幸せの信頼バンク#ゆたかさって何だろう

私が考えていた’’ゆたかさ’’


私は最近まで、ゆたかさとは
’’何不自由なく暮らせること’’
だと思っていた。

私が考える’’何不自由なく’’の定義は、いたって普通だと思う。

朝起きて仕事に行って、終わったら夕食の材料を買って帰る。金曜日くらいは旦那さんの好きなものを作って、ちょっと値が張る外国の瓶ビールで乾杯とかしちゃって。

土日は、ゆっくり起きて、白いご飯に合うおかずをこれでもかと用意して、旅館の朝ごはんみたいなのを作るんだ。そんで、どうぶつの森でお気に入りのレムくんに可愛い家具をプレゼントして、じゃんけんで負けた方がブラジル産の豆でコーヒーを煎れるの!

だいたい私が負けるんだけど。

そんでもって、1年に1回くらいは旅行に行って、たまには部屋に露天風呂がついてる温泉にも泊まりたいな。

こんなちょびっとの贅沢ができる、何でもない日常、だけど欲しいものは全部ある。これが私が考える”ゆたかさ”だった。

人生そんなに上手くはいかない


私は8年間付き合った彼氏と、今年の1月に入籍をした。

8年間ほぼ遠距離だったから、ただ一緒に住めることが嬉しかった。

もうこれからはずっと一緒なんだ!
大好きな旦那さんと幸せ新婚ライフが始まるんだ!


と思っていたら、それと同時に旦那さんの転職が決まった。
自宅から車で3時間、日本の最東端ど田舎勤務。

着いていく、という選択肢もあったけど、これからお金が沢山必要になるし、私は都内勤務。
なので泣く泣く別居婚、いや、週末婚状態になった(週末だけ家に帰ってくるあれです)。

しかし、夫は土日休みで、私はシフト勤務。休みが合わない。
結局、月に2、3回一緒に過ごせればラッキーみたいになった。

何がラッキーなんだ。こんなん私の理想とは程遠い。不自由だらけだ。

周りのみんなは、毎日旦那さんと一緒に過ごせる。大事な相談がある時も、「夜電話しようかな、、でもまだ仕事中かな。」
なんて考えなくても、夜まで待ったら自動的に帰ってくる。

いいな。

私は新婚なのに、月に数回、金曜日の夜から日曜日の夜までしか旦那さんに会えない。。

織姫と彦星よりはましか。

でも私は旦那さんの仕事を心から応援している。それに私の仕事の都合もあって、一緒に決めたことだから、文句は言えない。それでもやっぱり日曜日の夜、「じゃあね、気をつけてね」って送り出す時は毎回泣きそうになる。

本当は、旦那さんが車に乗った頃にひっそり泣いている。

私の幸せ新婚ライフはどこへ、、、何不自由ない生活はどこへ行ってしまったのか、、うわん。

旦那さんの言葉


こんな、勝手にメソメソしていた私を変えてくれたのが、日々の旦那さんの言葉だった。

旦那さんは時々、心がぽわっとなる言葉をくれる。

この間の日曜日、お昼ご飯に素麺を作った。つゆに薬味を入れるだけじゃつまんないと思ったから、グーグル先生にアレンジレシピを教えてもらって、もずくと混ぜるやつとか、ササミとキュウリを乗せて塩だれで食べるやつとか、3種類の味を用意した。

旦那さんは「これ美味しい!!」って言いながらもりもり食べてくれた。

それから一緒に本を読んだり、レムくんの家を移設したりしていたら楽しい時間は一瞬で過ぎてしまった。

夜、「また来週ね、気をつけてね」と見送った後、一人でしくしくしていたらLINEが届いた。さっき車に乗ったばかりであろう旦那さんからだ。

素麺メール


何だか、心がぽわっとなった。

これから3時間運転して、帰らなきゃいけないのに。
お腹いっぱいで眠たいだろうに。

そんな時にも私のことを一番に考えて、こんなに嬉しい言葉をくれる。

それに旦那さんは、ことあるごとに私を褒めてくれて、’’ありがとう’’も沢山言ってくれる。「料理が上手になったね」「洗い物ありがとうね」「洗濯しといてくれてありがとう」「すごーい!何か部屋が綺麗!」

ぽわっ。

だから私もつられて「いつも帰って来てくれてありがとう」「仕事頑張ってくれてありがとう」と自然に口に出して言えるようになった。

LINEで’’ありがとう’’と検索してみたら旦那さんとのLINEでは221回’’ありがとう’’と言い合っていた。

ありがとうメール


ある日、友達と電話をしていた時、
「そういえば旦那さん別居婚なんだよね?不倫し放題じゃん!!心配じゃないの?」と聞かれた。

別居婚じゃなくて週末婚だもん!

言いたいのはそんなことではなくて。

私の旦那さんに限っては絶対にない。何故かそう思える。不倫じゃなくても、私は旦那さんに絶大な信頼を置いている。日頃の行いを見ていれば自然とそうなる。だから心配はない。本当にぜんっぜんない。

でも逆もしかりだよね。私だって平日は不倫し放題。
旦那さんは心配じゃないのかな?

だから週末、ご飯を食べている時にやんわり聞いてみた。
「ねぇねぇ、もしさ、私が隠れて男の人と遊んでたらどうする?」

すると少し考えて、こう言った。

「うーん、まずは理由を聞くかな。〇〇のことは信頼してるから。そうなった理由が絶対あるでしょ。」

ぽわわわ〜ん。

何か、毎日会えない寂しさとか、もやもやが全部どうでも良くなった。月に2回しか会えなくても、某ウィルスのせいで結婚式が延期になっても。

今、一緒にごはんを食べてる。それでいいじゃん。私すっごく幸せだ。

幸せの信頼バンク

今回、ゆたかさってなんだろう、と考えていた時、この’’ぽわん’’のことを思い出した。

次に’’ぽわん’’の正体は何なのか、を考えていると、信頼バンクのことを思い出した。私たち夫婦はよく信頼バンクという単語を口にする。
スティーブン・コヴィー先生の7つの習慣に’’信頼口座’’という言葉が出てくる。これと同じだ。

信頼バンクとは、自分の信頼を貯めていく、言わば信頼の銀行である。

そのままだね。

信頼残高が高い同士であれば、必要な時にすぐ助け合えるし、間違いや失敗を犯してもすぐに和解できる。
この’’信頼’’を旦那さんはとても大切にしている。

相手に信頼されるにはどうしたら良いかなぁ、とか失った信頼を取り戻すのは難しいよね、あの人との信頼バンク貯まってるかなぁ。という話しをよく言っている。

そう。信頼バンクは相手によって自分の残高は異なる。
そして貯まりにくく減りやすい、それが信頼バンク。

それなのに、自分を絶対的に信頼してくれて、また私にも信頼させてくれる人がいる。それだけで何だか心がほかほかして、とてつもない安心感がある。この人がいる限り、私は大丈夫だって思える。

私たちは付き合っている間、お金は全然貯まってないけど、信頼バンクだけは少しずつ、着実に貯めていった。喧嘩もいっぱいして、お互いを傷つけ合って、信頼バンクがマイナスになったこともあった。

お金と違って、誰も貸してくれないし、株とかFXでぱっと稼ぐこともできない。それにゼロどころかマイナスになった銀行に、また新たに口座を開設するのはとても難しい。

でも私たちは信頼バンクがマイナスになろうが取引停止になりかけようが、その度にどうすれば信頼を回復できるのか、何がいけなかったのか、もうめちゃくちゃ話し合った。自分たちの行動を何度も改めて、毎日コツコツ小さい信頼を貯めていった。

その結果、今ではちょっとのことじゃびくともしない、超強固な信頼関係ができている。だから、どれだけ物理的な距離が離れていても、たとえ1年に1回しか会えなくても、何にも不安じゃない。たまに寂しくなってこっそり泣くことはあるけど、またそこから歩き出せる。

自分を信頼してくれている人の為に、私は今できることを全力で頑張ろう。そして、今この瞬間を、一緒にいられる時間を目一杯大切にしよう。

そう思ったら、何をしてても楽しいし元気が出る。
次に会った時に、「これ頑張ったよ!」って言いたくて、「すごいね」って言って欲しくて、やる気がふつふつ沸いてくる。

今、私の心は完全に満たされている。

’’ゆたか’’ってこういう気持ちを言うんじゃないかなぁ。

’’何不自由なく’’ではないけど、そんな不自由さも吹き飛ばしちゃうほど安心感があって、いつも心がぽわってなっている状態。

次はわたしが夫をぽわっとさせるんだ。

だから今日も部屋をピカピカに掃除して、旦那さんの大好きな生タコを隣町まで買いに行く。

奥さんメール


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