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着物の管理方法について

先日、鎌倉にある「せいた」という呉服屋で半幅帯を購入した。

半幅帯を2枚購入
右の帯のアップ。角度を変えると紫の糸がキラキラ輝く

鎌倉に行くときにふらりと立ち寄る呉服屋なのだが、古臭くなく、シンプルの中に上品さと可愛さを兼ね備えた品揃えで私のお気に入りのお店だ。

今回は何も買う予定ではなかったが、まるで雷が落ちたように帯に魅せられ、購入に至った。

ただ、誤解のないように言っておくと、私は見境なく買う着道楽ではない。

和装関係では自分なりのルールがあるので、そのルールについて話したい。「ふーん、こういう人もいるのね」というスタンスで聞いていただければ幸いだ。

私の着物箪笥

まず前提として、お義母さんから譲り受けた着物が20枚ほどあり(浴衣はノーカウント)、桐の着物箪笥に保管している。桐の箪笥は気密性が高く、デリケートな着物を湿気から守ってくれる強い味方だ。

高さ110センチほどの小ぶりな着物箪笥

着物箪笥にはもっと背の高いものがあるが、我が家の間取りの都合上、このサイズとなった。

着物のほか、長襦袢、羽織、浴衣、帯、そのほか小物があるため、この箪笥だけでは入りきらずに薄い箱を2箱上に積んでいる。こういった理由から、もう着物は増やせる状況ではない。

ただし、帯や小物であればデリケートではないため、着物箪笥以外に収納する選択肢がある。そのため、「帯や小物は買ってOK」というルールにしている。

着物好きの間には「着物1枚に帯3本」という言葉がある。要は同じ着物でも帯を変えればいろいろな着こなしができるよ、という意味だ。

私はこの言葉を信じて、着物は増やせなくとも、帯や小物を工夫して様々なコーディネートを楽しみたいと考えている。

着物のお手入れに掛かるお金

着物を増やせないもう一つの理由は、維持費が掛かるためである。

着物は買えばおしまいではなく、気を付けて着ていても汗を吸ったりするため、1シーズンに1回はクリーニングに出している。ちなみに、私の最寄りの呉服屋では、丸洗いと汗抜きで13000円/枚ほど掛かる。

以前、目に見える汚れを付けてしまったときには、さらにプラスして何千円単位で掛かってしまった(高い勉強代だった…)

クリーニングに出す頻度を下げるとか、そもそも出さない(!)という選択肢もなくはないが、せっかくお義母さんから譲り受けた大切な着物たちなので、私の中にはその選択肢はない。枚数を厳選することで、1枚1枚を大切にしたい。

余談だが、ときどき「着物、別にお金掛からないよ」という言う人もいるが、個人的には無責任なアドバイスだと感じている。もしかしたらその人は、シルック※しか持っていないか、ただの大富豪なのかもしれないと思うことにしている。
 
※シルック…東レの「シルック」という洗濯機で洗える着物のこと。

お手入れ状況の管理方法

先述の方針に伴い、それぞれの着物を交代でクリーニングに出すことになるのだが、すると困るのがいつどの着物をクリーニングに出したかどうか忘れてしまうということだ。そのため、私は着物の管理台帳を作成し、着物の種類やお手入れの状況を記入している。

着物管理台帳

※いちいち表に項番を振ってしまうのは、職業病である(私の仕事に関する記事はこちら)。

これはあくまで素人である私の方法だが、着物好きの皆さんはどのように管理しているのか、教えていただければ幸いだ。

テクニカルライターをするかたわら、趣味の着物やオタ活をしています。