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TACHIKAWA dystopia 15 end & repeat

「飛べませんでしたね」
「ああ。てかお前ばっか飛んでたなー」
「同時にイかないと次元上昇が難しいんですよね」
「別宇宙にあるアイスランドって遙の故郷なの?」
「秘密です」
「何が秘密だよ。こっちはアナルのシワの数まで知ってんのに」
「数えたんですか」
「まあね。お前ばっかイッてんだもん」
「タチカワ帰りましょうか。さ、乗ってください」
「こっち来るときはらはらしたわ。お前飛ばしすぎだよ」
「スピードが好きなんです」
「ドラッグ?」
「セックスです。あとロックンロールもです」
「なんかそういう言葉500年前にあったんじゃないの。お前も古いね」


 遙はにっ、と笑ってヘルメットを被った。何回も事故ってるんだぼこぼこにひび割れてる。頭も9針縫っているんだ。こいついつか事故って死んじゃうかもな。俺が免許とってさ、車に乗せてやるか。でも遙がハンドル握っちゃいそうだね。こいつはどこから来たんだろう。よくわかんないことでいっぱいだ。でもよくわかんないから俺は遙を好きになったのかもしれない。


 俺の探偵事務所は今後も客は来ないだろう。この腑抜けたディストピアでは誰も何も考えない。謎があるってことさえ気づかないんだ。別の宇宙へイクってことは失敗しちゃったな。でも何回でも繰り返してさ、きっと回転する虹の向こうへ
俺と遙は一緒にイけるんじゃないの。好きなナンバーを何回もリピート再生させてさ。それまでこの腐ったディストピアで俺はそれなりにやっていくよ。遙と一緒ならきっと大丈夫さ。


 遙と俺を乗せたバイクはルート69をまっすぐ走る。


 タチカワへ帰ろう。俺達のTACHIKAWA dystopiaへ。


 end.

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