EaM 2 Free as a Bird

　こんにちは。メッセージうけとりました。
ちょうど、あなた達がもっているsmartphoneというものに似た送受信機をわたし達はつかっています。
　ダイチくんというんですね。私の名前は、あなた達がつかっている言語とはまるでちがうものなので、ここでどう表記したらいいのかわかりません。このメッセージもあなた達がつかう翻訳アプリのようなものでわたしの思考を変換しています。

　わたしの住む宇宙は、ダイチくんの住む宇宙とちがいます。宇宙っていっぱいあるみたいです。マルチバースっていうのかな。
　でもわたしも学校（のようなところ）ですこししか教わっていません。
　わたしの住む惑星はピンク色をしています。そっちは青いんだよね。
　ピンクなのは汚染されたからです。だからわたし達は地下のコロニーで生活をしています。
　そちらの太陽系にある土星のような輪もあります。色は虹色です。光の波長とか、そういう関係みたいです。あと、たぶんそちらの人がこっちの世界を見たらきっとちがう色に見えると思います。
　色の見えるからだの仕組みがすこしちがうようです。そちらにいるトリという生物は紫外線を感知する細胞があります。色のセンサーです。わたし達はトリにちかい眼をもっています。

　惑星には衛星が2個あります。金色と銀色です。名前もありますが、やっぱりここでは表記できないかんじです。あなた達の世界でいう太陽も2個あります。緑色で、冷たい星です。わたし達の惑星はいつも粉雪が降っています。すこし積もってはとけての繰り返しです。でもその光景も地下のコロニーから透明なシールド越しに見るだけです。外界に出たら5秒で死に至るほどの瘴気があるとおそわりました。

　わたしの名前はとても長く、寿命もこちらでは1000年が平均です。そっちは長くても100年くらいなのかな。
　ダイチくんの住む日本という国ではpinkを桃色というんですよね。
　わたし達の惑星はpinkです。だからわたしのことはモモ、と呼んでくれたらいいと思います。これは便宜上の名前です。

　よろしくね。モモより。