TACHIKAWA dystopia 2 Guitar

「ただいまでーす」
「お帰り。ガチャガチャしたの?」
「しました。見てくださいこれ」
「ミニチュアのギターか。よく出来てるな」
「これストラトキャスターです。フェンダーですよ」
「俺よく知らないんだよね」
「これはリゾネーターです。ドブロです」
「ふーん」
「これはリッケンバッカーですね」
「お前何個ガチャガチャしてきたのよ」
「100個ですけど?」
「もともとそんなにガチャガチャにあんの?」
「あそこのがこの辺で一番大きいんです」
「これはグレッチで」
「あーもういいよ。俺メシ作るわ」
「何作るんですか」
「タマゴがいっぱいあるからオムライスかなー」
「あたしオムライス嫌いです」
「じゃ、いいよ俺一人で食べるし。お前に作ってもどうせ食べないもんな。カット野菜そのまま食ってるようじゃ嫁にも行けないぞ。ドレッシングもかけないでさ」
「嫁ってゴハン作るんですか」
「作ったほうが相手もうれしいんじゃないの」
「適当に食べればいいじゃないですか」
「そんなもんかね。今日びの若いコってみんなそうなの?」
「あたしトモダチいないからわかりません」
「ふーん。寂しくないの」
「? ヒトカラって最高じゃないですか」
「1人カラオケのこと?」
「はい。見えないものを見ようとしてーーーーー!!」
「わっ急にでかい声で歌うなよ。何それ」
「昔の歌です。500年くらい前」
「よく知ってるねそんなの」
「me tubeに結構アップされてるんです」
「ふーん」
「天体観測って歌ですよ」
「ああ、500年前はまだ星も見えたんだろうね」
「いまもささやかだけどすこしは見えますよ」
「空なんて見ないな俺」
「かわりにエッチな動画みてますもんね」
「馬鹿野郎。てか何で知ってんだよ」
「カマかけただけです」
「お前なー」

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