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New testament 1

「ヨセフ」
「何? マリヤ」
「子どもできたみたい」
「えっ? 僕達まだ」
「精霊のお告げがあったの」
「ええ……」


「どうしよ。とりあえず寝るか」


『ダビデの子、ヨセフ』
「え? ああ夢か、これ」
『怖れないでマリヤを妻に迎えなさい。彼女のお腹に宿っている魂は精霊によるもの』
「ええ……」
『マリヤは男の子を産みます。イエスと名付けるのです。この方こそ民をその罪から救ってくれます』
「ええ……」


「……すごい夢みたな。でも主の使いが言うなら本当なんだろう」
「ね。私達まだしてないのにね」
「結婚しよう」
「はい」


「生まれた。可愛いなー」
「ユダヤのベツレヘム生まれだね」
「これかいてる人は新中野で生んだよ」
「何? それ」
「ああこっちの話」


ーーその頃エルサレムではーー


「私達は東方の博士です。ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいででしょうか。私達は東方でその方の星をみたので拝みにまいりました」
「ええ……エルサレムの王は俺なんだけど」
「ですよね、ヘロデ王様」
「ちょっと祭司長とか学者とか集めてこい」
「承知しました、ヘロデ王様」


「何? そのキリストとやらはどこで生まれるわけ」
「ユダヤのベツレヘムです。預言書にかかれています」


「マジかよ。ちょっと東方の博士達ベツレヘムに送るわ」


「あの星が幼子のおられるところまで先導してくれます」
「あ、着いた。この家ですね」
「あらあなた達は?」
「私達は東方の博士です。エルサレムよりまいりました、マリヤ」
「まあ」
「この方が民を救われるユダヤの王……」
「あらまあ」
「これを捧げます」
「黄金、乳香、没薬……こんないいものをありがとうございます」
「さて私達は帰ります」
「エルサレムへ?」
「いや、夢でエルサレムのヘロデ王のところへ戻るな、という啓示があったので。自分達の国に帰りますよ」
「うちの人も夢をみて主の使いがあらわれてこの子の名前を告げたんです。
イエスなんですよ」


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