SOBGIT2s 10 Motherfucker

「なんかさ」
「うん」
「お前とずっとこうしてたいな」
「うん……」
「最近セックスとかどうでもいいんだ」
「さっきまでがんがんにやってたじゃん」
「そだけど」
「まだ17だよ」
「結構したし」
「そう」
「9歳でさ、教会の牧師にやられてさ。虐待児童を
預かる活動とかやってるとこのね。俺父親から
すげー暴力やられてたから。背中とか傷だらけっしょ」
「だね。刺青、彫り終わったら隠れるよ、きっと」
「なんか牧師もおっさんでさ。俺いやな筈なのに
勃っちゃったのね、そんとき。あいつもますます
喜んでさ」
「うん」
「そっから男も女も関係なくやったわ。どんだけ
やったか覚えてねー。どんだけやってもあの牧師が
ちらつく。そしてあのときの屈辱的な自分が」
「…………」
「牧師は4年前くらいに死んだよ。なんかヤクザの
銃撃戦に巻き込まれたのかな。それともなんか恨みを
買って殺されたのかわかんない。俺はいまもわかんないんだ。
あいつを殺したかったのかまたやられたいのか。わかんない
んだよ。こういう感情って名前とかついてんのかな」
「なんだろう。アンビバレンツ、とかかな」
「……キスして」
「うん、いくらでもするよ」
「俺、母親もやっちゃった」
「うん」
「父親からずっと俺を庇ってた。5年くらい前かな。
俺母親に抱きついて……そのまましたんだ。あいつは
拒まなかった。ああいう性格だからいつまでもろくでもない
父親と一緒にいるんだ。どんなに自分と子どもが殴られてもさ。
ママの躰はよかったよ。最高だ。あいつはすげえ美人だから。
俺のことも14ぐらいで産んでるんだ。父親は俺と血の繋がりは
ないよ。おおかた俺も母親がレイプされて出来た子なんじゃない。
何も……何も拒まない、あいつは。何もかも受け入れる。
自分の息子さえ」
「……失踪したんだよね」
「うん。父親は11のとき。母親は俺とやったすぐあとくらいかな。
そっから俺祖父ちゃん祖母ちゃんのとこにいる。谷保だよ、立川の近く。
母方の実家だ。祖父ちゃん祖母ちゃんはよくしてくれるよ」
「そう」
「お前、俺の母親に似てるよ。顔もだけど、何か……すべてを
赦してくれそうなところ。実際俺が何やっても受け入れてるもんね」
「そうだね」
「薬でもなんでも。俺が殺しても文句言わなそう」
「リョウに殺されるなら、いいかな」
「ほら、また……堪らないな。すげー犯したい。滅茶苦茶に
したいよ、お前のこと。またしてもいい?」
「セックスとかどうでもいいって言ってたくせに」
「お前が男でよかったよ」
「なんで?」
「motherfuckerが子ども持ったらやばいだろ」
「そうかな」
「そうだよ」


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