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とっても不穏な兎と亀。5/5

トンネルに入り歩みを進めるたびに自分がどこから来たのか自分は 何をしていたのか、兎は解らなくなっていった。
しかし、兎は踵を返すことはなくトンネルの出口まで来ていた。
自分の命より大切だった二人の家族。
数年前、些細なことで絶縁状態になった元親友の亀のこと。
兎の大切だった記憶は殆ど無くなっていた。
覚えているのは自分が兎だという事と、先ほど仲良くなった亀のことだけ。
兎がトンネルを抜けると、どこか懐かしい様な草原が広がっていた。
兎の隣には、先程仲良くなった亀がいた。

亀が言いました「あの山の頂上まで競争しようよ」
「負けないぞ。僕はかけっこが一番得意なんだ」

同時にスタートした二人。
みるみるうちに兎の姿だけが見えなくなっています。
亀の口は、およそ亀の口とは思えない程不敵な笑みでした。


「とっても不穏な兎と亀。」こちらは今回をもって最終回となります。
初めての作品ゆえに誤字脱字や文章がおかしい所があったと思います。
もし可笑しな所を見つけたらコメントしてください。

次回は8月5日(土)です。
「とっても不穏な兎と亀。」の総集編になります。


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