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ドラマ3話-3(試訳)

〇程府
人の声:出かけるよ、兄貴、私は忙しいですよ。
常之新:階段があるよ
蒋梦萍:環境が良さそうね

〇程府、屋内(常之新と蒋梦萍のために支度された部屋)
使用人:坊ちゃん、ご到着されました。
范涟:(いとこの)僕だよ
常之新:漣くん。来たよ。
范涟:疲れたでしょう
常之新:いやいや、大丈夫。私たちのために手間をかけさせてしまって。
范涟:水臭いな、常兄さん。平陽にいたころは、ずいぶん世話になったのだから、今私が世話をしてもなんだと言うのさ。
常之新:それなら、遠慮はしないよ。今回初めて北平に来て、少なからず手を煩わせることになるだろうけど、後から嫌だなんて言わないでくれよ。
范涟:構わないよ
常之新:来て。紹介するよ。こちらが義理の姉になる蒋梦萍。
蒋梦萍:范涟(範漣)さん、こんにちは
范涟:彼女を僕が知らないはずがないでしょう、あの頃、水雲楼にいた…。
常之新:漣くん、昔の事は言わないで。
范涟:言わないよ、言わない。僕はまったく無駄話が多くて。部屋はもう整ったようなものだ。荷物を片付けたら姉さんに会わせるから。彼らはむこうで兄さんたちを待っているよ。
蒋梦萍:あれこれ気遣っていただいて、本当にありがとうございます。
范涟:じゃ、さっそく片付けてしまおう。
常之新:うん、私がしよう。

〇程府、客間
常之新:(赤ん坊を抱いてあやしている)ゆらゆら、くるくる、ゆらゆら
范湘儿:常兄さんがこんな子供好きだったとは。蒋姉さんも早くしたら。
常之新:ゆらゆら、くるくる
范湘儿:姉さん、どうしたの?
蒋梦萍:何でもないわ
常之新:小さな鼠が燭台に、油をこっそり舐めていて、さあ大変だ降りられない
蒋梦萍:私も子供が欲しいけれど、難しいように思うの
范湘儿:どういうこと?
蒋梦萍:体に原因があって。
范湘儿:医者を探して治療はしたの?
蒋梦萍:探したわ、いろいろ試した。でも、全然。
常之新:梦萍(夢萍)どうかしたのかい?
蒋梦萍:何でもないのよ。
常之新:具合が悪いのなら私に言って。医者を連れてくるから。
蒋梦萍:大丈夫よ。ただ、あなたがこんなに子供好きだとわかって、あなたに子供産んで差し上げれなくて、申し訳なくて。
常之新:(慌てて乳母に赤ん坊を渡す)ちょっと、だっこしてやって。梦萍、私は子供好きではないよ、子供は要らない、ただあなたがいれば他に何もいらないんだよ。
范湘儿:うっかりした事言ってしまったね。張さん、子供を連れていってちょうだい。兄さんたちを煩わせないように。
常之新:私の家には小さな弟や妹がたくさんいて、一日中、うるさくてウンザリなんだ。子供は好きじゃないんだ。

〇范湘儿寝室
范湘儿:あなたたちの結婚のとき、伺えなかったけど、この贈り物はとっくから用意してあったの。ちょうど今来てくれたから渡せるわ。ああ、ぴったりね。今着ている服にもよく合うわ。
蒋梦萍:こんな高価な物。こんなにも良くして頂いて。
范湘儿:家族だもの。遠慮しないで。さっきは姉さんに辛いことを思い出させてしまって。気にしないでくれたら、安心だわ。
蒋梦萍:どうして、あなたは何も悪くないでしょ?
常之新:入ってもいいですか?
范湘儿:どうぞ。
常之新:梦萍、ここにいたのか! 心配したよ
蒋梦萍:あなた、どうしてここにいらしたの?女主人の寝室にお客の貴方が入るなんて、良くないわ。
范湘儿:皆家族だもの、良いのよ。
常之新:私は長いことあなたの姿が見えないから。
蒋梦萍:そんなに長い時間?30分くらいでしょ?
常之新:そう?半日も過ぎたように感じたよ。
蒋梦萍:范さんの前で。情けないこと。
常之新:あなたがつけている耳飾り、とてもきれいだ。どうしたの?
蒋梦萍:これは今、范さんからいただいたの。
范湘儿:常兄さん、よく気づいたわね。こんな小さな耳飾りに一目で気づくなんて。
常之新:私は彼女のちょっとした変化も見逃さないよ。私は毎日何度でも彼女を見ていたいし、どんな様子も全部私の心に留めておきたいんだ。
蒋梦萍:わかったわ。もう、言わないで。・・・きれいでしょ?
常之新:うん。きれいだ。

(数時間後、夜、鏡台の前に座る范湘儿。程鳳台、入ってくる)
范湘儿:お帰りなさい、クタクタでしょ。
程鳳台:まあまあだ。
范湘儿:何度か言ったことがあるけど、上着を脱がないまま横にならないで。ほら、着替えを手伝うから。ねえ、あなた、私を見て何か今日の私、いつもと違うところがない?
程鳳台:相変わらずきれいだよ。
范湘儿:なにか違うところがない?
程鳳台:ふっくらしたかな?
范湘儿:自分で着替えなさい!
程鳳台:ステキな奥さん。何を怒っているの?
范湘儿:疲れたわ、付き合っていられない。
程鳳台:よし、私は先に身体を洗ってくるから。戻ってくるのを待っていなさい。コリをもみほぐしてあげよう。そうだ、来週の子供の一歳の誕生日には、曹司令も北平に着任する。それについてだけど、考えていることがあって、二つの要件を一件にまとめて片付けようと思っているんだ。面倒のないように、あなたにも頑張ってほしいんだ。
范湘儿:私はただの切り盛り係?
程鳳台:何か言った?
范湘儿:別に。うまくやっておきますわ。
程鳳台:この重要な案件、あなたが頼みの綱だ。私は安心していられるよ。

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