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ドラマ3話-4(試訳)

〇程氏宅 
祝宴当日 門前の様子~宴会場

・宴会場
程美心:椅子をきれいに並べて。食器も整えてね。この主賓席には司令官と弟が一緒に掛けるから、隣とはもっと離しておいて。話の邪魔にならないように。
韓総監:美心様、一歳祝いの道具も支度が出来ております、ご覧になってください。
使用人女:お嬢様、総監、ごきげんよう。
程美心:お金をこんなに遠くに置いては子供がつかめないじゃないの。
使用人男:韓総監 お嬢様、劇団が参りました。どういたしましょうか。
程美心:奥の部屋に案内して。いちいち訊かなくても知っているはずでしょう? 食事も出すのよ。どうして私があれもこれも采配しなければならないの。
使用人男:お屋敷でこのような宴会を設けたことがないわけではありませんが、自分はほとんど知らないので。では、行ってまいります。行きます。
韓総監:さ、さ、行きなさい。
程美心:ちょっと待って。給仕の女の子たちに言ってちょうだい。役者がいるところに近づかないように。悪い影響を受けると困るわ。
使用人男:はい、かしこまりました。
程美心:奥さんは?
使用人男:奥様はまだ起きていらしていません。
程美心:とんでもないわ、彼女はいつも一番先に起き出すのに。今日は彼女にとって大事な日なのに起きてこないなんて。

〇范湘儿の部屋
ぼんやりと椅子に腰掛けている范湘儿。
常之新の言葉を思い出している。
常之新:彼女の身にちょっとした変化でもあれば、僕は見逃さないよ。毎日、いくらでも彼女を見つめていたいし、どんなことも心に刻んでおきたいよ。
范湘儿、ため息
美心、入ってくる。
程美心:ちょっと奥さん、身支度が出来ているのに何故出てこないの?
私がてんてこ舞いしてるのをみてちょうだい。行きましょう!
范湘儿:ねえ、姉さん。男女の愛はどうしたら続くのかしら?
程美心:熱でもあるの?何を言い出すの?
范湘儿:以前お芝居で観たのよ、誰も愛さない女性が、誰からも愛されない。無意味な人生なのかしら。
程美心:お芝居なんて全部嘘よ。若い女の子たちの関心をひくようになってるだけ。いい?今日はあなたの子供の一歳のお祝いなの。大事な日でしょ?さっさと行きましょう!
范湘儿:お芝居の物語は真実だわ。従兄夫婦の仲睦まじさを見てそう思う。あなたの弟は私を愛していないわ。
程美心:え?どこからそんな話になったの?じゃあ、訊くけど、鳳台がなにかあなたに罪なことでもしたの?
范湘儿:いいえ。でもそう思う。彼は他の人と違うわ。
程美心:違って当然でしょう?この男はこの男。彼はもとより同じではないわ。考えてもみなさいな。この男性は愛を語るのが好き。あの男性は心に愛を隠しておく手合い。あなたが知ってる男性には多くの女性を囲っている人もいるでしょう?それに、心の機微を感じない人だっているわ。あなたはさ、弟に嫁いで、聡明で賢いあなたなのに恨み言をいう訳?曹司令に嫁いだ私なんかどうするのよ?あの図体の大きい、忙しい男。(妾が多い、機微に疎い、なかなか構ってもらえない)私は死ぬしかないって言うの?
范湘儿:こんな具合で、彼は人の気持ちがわからない・・・
程美心:まぁね。いいわ。戻ってきたらお芝居の研究をもう一度することにして、今は私と一緒に急いで!司令がもうすぐ到着するわ。あなたはここの女主人なのだから、私に恥をかかせないで。

〇宴会場
程鳳台、来る。
使用人たち、また来客たち:おめでとうございます、おめでとうございます!
程鳳台:皆さん、お気楽に。お気楽に。どうぞ楽しんで行ってください。
来客たち:行きましょう、私たちはあの辺りに座らせていただきましょう。そうだね。
韓総監:旦那様、門口でお待ちになられた方がよろしいかと。じきに曹司令が到着されますよ。
程鳳台:そんなに早くは来ないさ。彼は威厳のために、遅れてくるだろうよ。水雲楼の面々はもう来ているのかい?
韓総監:東の隅の門から入ってもらいました。美心様のお言いつけで。
程鳳台:見に行ってみよう。

〇奥へむかう廊下~奥の間、水雲楼控室
女たちの声(水雲楼団員):ダメよ、どうするの?ここは私が歌うわ。どうしてあなたが歌うの?当たり前でしょ?座長はとっくにそう決めていたのだもの。なぜ早く言わないの?今になって考えているの?だめよ、座長!ここは私が歌わないと。彼女にさせられないわ。
使用人の列が通り過ぎる。
使用人たち:旦那様。
商細蕊:揉めるなよ、やりようがないじゃないか!
女の声(水雲楼):座長
商細蕊:便所に行ってくる!
女の声(水雲楼):便所どころではないわ!どうするのか言って。座長、行かないで。あなたが決めないと。結局どうするの?言いなさいよ!
飛び出してくる商細蕊。
商細蕊:程さん、いらしたんですか。
程鳳台:見に来たんだ。準備はどんな様子かと思って。妙なところに来てしまったようだね。
商細蕊:笑ってください。
程鳳台:そうだ、ちょっと話しておくよ。君が舞台を務めているところを何人かの記者に写真を撮らせる。明日の新聞にはこう載るさ、商さんの素晴らしい声に曹司令満面の笑み、とね。それで、問題は一気に片付くさ。
商細蕊:私はあなたに無限大の恩恵をいただいてしまいますね。


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