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ドラマ 1話-3(試訳)


1-2の場面は続き
C:程さん、どうしてそんな事を言うのですか?我々はお金をいただければ、あなたに無駄骨を折らせませんよ。
E:手を貸しますよ
F:そう、そう。その通り。出資は出来ないけれど。
程鳳台:このルートは私が盗賊の銃弾のなか命懸けで取り返したもので、 銭金で買えるものではない。友達であればOKです。友達になるのはとても簡単だとも、私は言いました。必要なことは利益の半分を東北地方の抗日運動家に献金するだけです。
C:半分!多すぎる!
D:程鳳台!身内の兵力が無ければ、ここであんたが強気に振る舞える根拠もないのに!
E:そうさ!盗賊の被害を言い立てるなら、あんたこそが盗賊だ。
F:そうだ!あんたこそが盗賊だ!(一同、いきりたつ)
程鳳台の手下:全員、動くな!動くな!(郎党、一斉に銃を構える)
鄭原木:(奥から登場)これはいったいどうした事かな?程さん、30分ほど遅れましたが・・・何の儀式の警備ですか?
C:鄭会長、我々は程さんの素晴らしい仕事ぶりについて話したいだけです。
鄭原木:全部聞きました。あなた方はまったく古い頭で、困ったものですね。何年商売をやっているんですか?どうしてわからないんでしょうね。いい話も良くなくなってしまう。程さんが私たちの北平商会に来てから誰も彼も面子を立ててもらったでしょう。あなた方がこの関係を壊すなら、たちまちどこにも顔向けできなくなりますよ。どうですか?あなた方は程さんに借りがあるでしょう?
私の話がわかったら、座りなさい。(全員腰を下ろす)
(鄭会長、程鳳台にむかい)
程さん、今日のところは私の落ち度です。リーダーシップをとれませんでした。
この老いぼれの顔に免じて、彼らの認識を問わないでもらいたい。
あなたは銃をもっているが、彼らはソロバンをはじくだけの商売人。彼らを怖がらせないでください。
程鳳台:(銃を下ろさせる)鄭会長、私の面子も配慮してほしいものだ。お宅の今日のこの宴会のテーブルは私が賄っているが、どうにも食べる気がしない。
鄭:この状態では無理に引き留めることもなんでしょうから、明日の夜、汇宾楼での芝居にお招きしようと思いますが、いかがですか?それで穴埋めということにしていただければ、あなたは多くの称賛をうけるでしょう。
程鳳台:(立ち上がり)鄭会長のご招待。きっと伺います。
鄭:では、後ほど。お気を付けて。(程鳳台を送りだし、渋い表情に変わる)

●北平商会の門
程鳳台:君たち、お疲れ様だったね、早く帰って休んでくれ。
手下たち:ありがとうございます。旦那様!
老葛:旦那さん、勝ったようですね。
程鳳台:まとまりのない理屈を並べてくるなら、武力を持たなくても勝てるさ。
老葛:服はすべてそろっています。車に用意してあります。お屋敷に帰りますか?
程鳳台:先に趙小公館に行こう。范涟を捕まえる。

●趙小公館前
(停車、車中で身支度している程鳳台)
老葛:旦那さん、とっくに催促したのですが、もう少し待ってくれと。
程鳳台:これだから、あいつは。窓ガラスに石をぶつけてやれ!
(躊躇する老葛)いいから!やれ!
通りがかった住民:何をするのですか!
老葛:何?
程鳳台:私の家だ。おせっかいするなら撃ちますよ。(拳銃をちらつかせる)
(住民、肩をすぼめて去る)
(窓をあけて范涟が顔を出す)
老葛:よし!坊ちゃん!
范涟:兄さん!降ります、今降りるから、ちょっと待って、すぐ行くから!
曽愛玉:(窓から見下ろして)程さん。あなたいらしたの?上がってらっしゃいな!
(程鳳台、まったく無視している)
(范涟、車に乗り込む)
老葛:坊ちゃん・・・。

●路上 、車中
程鳳台:私に替わって北平商会に行くように言ったのにどうして行かないのだ?!
范涟:私が行ってうまくまとまりますか?うちの手練れを一人か二人私につけてくれて、具体的な話を進めるならいいけど。
程鳳台:なら、そうして。

●程府
程鳳台:ただいま、帰ったよ。
范湘儿:お帰りなさい
程鳳台:恋しかった?
范湘儿:どうして遅かったの?
程美心:そうよ、どこで道草を食っていたのよ。奥さんを心配させて。
程鳳台:范涟と北平商会で手間取っていたんだ。
范湘儿:厨房に伝えて。旦那さんに琵琶エビと素火腿を支度して、と。早くね!
春奈:はい
范涟:ちょっと待って。姉さん、私に酸菜炖肉は?飢え死にしそうだよ。
范湘儿:(春奈に)あなたは行きなさい
程美心:(范涟に)何よ~あんたは~
范湘儿:察察も呼んで食事にしましょう。
春奈:はい
程鳳台:(妻を誘って)おいで、さあ食事にしよう、奥さんの気遣いを無駄にしてはいけないね。私のために支度しておいてくれたのだから。
范涟:兄さんが帰ってくると、いつもと違うんだから。
范湘儿:あなたはまだ私のところに顔を出せるのね~?!
范涟:なんだよ。
范湘儿:今日、あなたを訪ねて二人のお客さんがいらしたの。理由がわかる?借金の回収よ。彼らが私に訊くのよ、あなたは知らないの?お金はありますか?って。あると言えば借金の返済を遅らせられない。ないと言えば水雲楼に金塊を5つも褒賞に与えたからだ、とね。
范涟:違うよ、姉さん、それは違う。私は仲間を助けるために褒賞を出したんだよ。表向きのことはさ~、そうでしょ、兄さん。
程鳳台:奥さん、さ、エビをどうぞ~。(ご機嫌取り)
范涟:美心姉さ~ん(援護を頼む)
程美心:これは助けられないわ。芝居以外のことならまだしも。あなたの弁護をしようと思うけれど。この水雲楼の商細蕊って役者、すべての芝居の中で一番見ていないもの。
范涟:どうしてそんなに注目しているの?
程美心:気になるわよ!
范湘儿:商細蕊だからでしょ。
程美心:あなた外で何を食べたの?(意図すること不明)
范湘儿:彼に会っても大きな打撃を与えないでちょうだい。彼には祝儀をはずんで。
程鳳台:うちの奥さんは外出しないと思っていたが、その役者にどうしてそんな嫌悪感を?
范湘儿:私がこんなに気にするのは従兄のせいよ。
程鳳台:あ?それはどういう?何のつながりが?
察察:兄さん!
范湘儿:察察、いらっしゃい。この話はやめましょう。
察察:兄さん、帰ってきたのね。長いこと留守にして恋しかったわ。
程鳳台:ホントに素直だね。おいでおいで。腰掛を持ってきて私のそばに来なさい。
范湘儿:早く、良い子ね。
察察:姉さん
范湘儿:さ、良い子ね、早く召し上がれ。
(美心と范涟、三人のやり取りをみている)
程鳳台:ここにお座り。どうして姉さん(程美心)に何も言わないの?行儀が悪いよ。
程美心:うちの妹はお兄ちゃんしか眼中にないのよ。
察察:兄さんが剥いてくれたエビ、とっても美味しい!
程鳳台:もう一つ食べるかい?


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