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ほくろ

ほくろは、気づけばそこに存在していた。時々皮が剥けたりして(もしかしてこのまま玉ねぎみたいに剥けていくのでは?)と、自宅にある手術道具を出してきて引っかき回したので、どんどん成長してしまった。

元々、ピアノと指ぽきのせいで曲がった指も嫌いだったし、本人から見ても所謂『女性の手』ではなかった。コンプレックスといえば、そうなんだろうけど毎日の家事やPTAや、なんやかんやで、我が手について考えを巡らすこともなかったんだけど。

ある時、風呂場で少し皮が剥けたほくろをまじまじと眺めてみた。
昔は、小さいほくろだったことも全く映像が思い出せない。
爪で引っ掻いたら、血が滲んでうっすら痛かった。

(とりたい)

ふと、そんな風に思って
いつだったか、嫌な事があったらほくろを触って
血が滲んでたなと思った。

自分の内面の何かが、ほくろを傷つけて
安心するという一種のリストカットのような感覚だった。

もう、そんな事をするのはやめたいな…と思ったと同時に、しんどかったんやな、自分は…と思った。

それで、とることにした。

手術は15分位で淡々と執り行われ、わたしのほくろはなくなって、変わりに糸が縫い付けてある。

感慨深いなぁ…ほくろ一つで。

手術前に、ほくろ占いを調べたら
すごくいい運勢のほくろだったので
取るのを一瞬ためらうという、ピュアな心も
感じつつ。

今はフランケン状態なので写真はアップしないけど、またキレイに、なったらアップしようかな。


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