しあわせ

私は4人兄妹の末っ子に生まれたことで、他人より多くの人生を見送っている。そして、見送る側と見送られる側の両方を体感することができている。母はしばしば“あの子は、今の選択で正しかったのか”という旨の発言をする。私は、一緒に彼等の変化について回想する。結論は、正しかったというより、彼にとっての最善・最良なのではないかというところに落ち着く。おそらく母は、彼等以上に彼等のことを想っているのだと思う。しかし、それは例え愛だとしても、正しい/正しくないを決めるのは本人以外に有り得ないのだ。

彼等の旅立ちを見送り、新たな地での彼等の頑張りを見る。環境や人間関係が変わると、他人は驚くほどに変化する。それだけ、周りからの影響を受けながら日々を過ごしているということに気が付いた。そして、彼等の背中を見送った両親を見ていると、彼等がどれほど愛されているのかを知ることができる。それを通して私も愛されていることを実感する。4人兄妹が故に、苦労することや我慢することがあった。しかしそれらは、私のとっての幸せだと今はいえる。そうやって受容しながら今を愉しんでいる。

それぞれの幸せに気付きますように、と愛を込めて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?