ブレーキフルードのアレコレ

どうも。不定期に気が向くままTwitterでスペースを開催しているShiriNです。ずいぶん前にこの表題でスペースやったら、思ったより人が集まったので、今日は簡単にこの日話した内容をまとめようかと。

さて。本題に入る前にShiriNから注意事項が2つ。
1つ目は「ShiriNは素人でメーカーの人間ではない」ということ。実体験をもとにお話ししてますが、理解に間違いがあったらごめんなさい(一応できるだけ調べて裏付けとってから話してるケド…)。あー、こんな解釈もあるんだーくらいに聞いてください。
2つ目は注意事項というかなんというかですが、「できるだけメーカー名を出さない」ように書きますのでご理解いただきたいということ。メーカーが自称していることはメーカー名とともに書けますが、僕の感想とか伝聞で聞いた話はメーカー名と一緒には書きたくないです。特に「〇〇の製品はダメだ」みたいなことね。製品がダメなんじゃなくて、用途にあわないってだけですから。ShiriNイチオシ商品はもちろんあるので、気になる方はDMください。
さて、本題に入ります。

ブレーキフルードは規格で選ぶな!

あの時ShiriNがスペースで一番伝えたかったことはコレ。ブレーキフルードの規格(DOT3とか4とかいうやつね)に意味なんてないから無視してください。サーキット用のブレーキフルードはそんなとこで選んじゃいけません。それはなぜか。DOT5.1より優秀なDOT規格外の製品が一杯あるからです。あ、ちなみにDOT5(シリコン系フルード)はゴムへの攻撃性があるんで使っちゃダメですよ。

ブレーキフルードの規格って?

ブレーキフルードの規格は沸点と粘度で決まってます。沸点は耐べーパーロック性能に、粘度はフィーリングに関わりますね。

まずは沸点について知ろう!

沸点には、ドライ沸点とウェット沸点があります。ここでいうドライ/ウェットは路面状況の話じゃなくて、ブレーキフルード中に含まれる水分量が少ないか、多いか、です。
ブレーキフルードは大気中の水分を吸収するので、使わなくても勝手に劣化します。大気中の水分を全く吸っていないときの沸点を「ドライ沸点」。大気中の水分を吸って、ブレーキフルードの3.5%が水分になってしまった(要は劣化した)ときの沸点を「ウェット沸点」といいます。べーパーロックは、「ブレーキフルードが沸騰して、ブレーキラインに気泡が入ること」ですから、これらの数字が高ければ高い(沸騰しづらい)ほど、「べーパーロックを起こしづらい、サーキット向きのブレーキフルード」ということになりますね。

DOT~の基準だと沸点はどうなってるの?

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株式会社ディクセルさまHPより引用

さて、DOT4と5.1のドライ沸点を見てみましょう。
DOT4が230度以上、DOT5.1が260度ですね。数値だけ言われてもピンとこないと思いますが、ぶっちゃけドライ沸点260度って「足りません」。Zでドライ沸点260度のブレーキフルードを使ったら、簡単にべーパーロックしちゃいます。メーカーが「サーキットスペック」として販売しているのは、軒並みドライ沸点300度以上です。ですので、サーキット前提ならば、DOT4だろうがDOT5.1だろうが足りないことに変わりはないっすね。

じゃあDOT4とDOT5.1の差はなに?

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ではDOT4と5.1の大きな差はなんでしょう。上の表の、粘度(-40℃)を見てください。DOT4が1800cst以下、DOT5.1が900cst以下ですね(cstが何かはよくわかりません。とりあえず、DOT5.1のほうが粘度が低いってことっす)。ドライ沸点260℃、ウエット沸点180℃、-40℃粘度が900cst以下のフルードだけが、DOT5.1を名乗れるということです。

さて、肝なのは、粘度が-40℃時点ということです。ブレーキフルードが-40℃の状態で使うことなんて・・・ないですね。つまり、この指標は(サーキットを前提とするなら)無価値なんです。もし粘度を気にするなら、100℃時点での粘度のほうですね~。

つまり、どういうことだってばよ

さて、以上のとおりDOT規格は沸点と低温域の粘度で決まりますが、サーキットユーズが前提ならば、
 沸点:DOT4だろうとDOT5.1だろうと足りん。300℃は欲しい。
 粘度:-40℃なんて関係ないじゃん
ということで、DOT4と5.1の区分の違いは全くもって無価値なんですね。最初に言った、「規格で選ぶな」ってのはこういうことです。

ブレーキフルードを選ぶときのポイントはここ!

はい。前置きが長くなりましたが結論です。
なにを差し置いて、まずは沸点が超大事です。
ドライ沸点300℃以上、ウェット沸点200℃以上の製品を選んでください。かなりの確率でベーパーロックを防ぐことができます。というか、だいたいのブレーキパッドなら先に限界が来ます。フェードのほうがまだ怖くないんですよ。急に全く効かない!ってなることもないですし、べーパーロックは冷えても直りませんが、フェードは冷えれば直りますからね~。
というわけど、沸点に気を使ってフルードは選んでください。
ん?粘度?フィーリングの違いだから好みあるんで、気に入ったの使ってください笑
個人的なオススメはDMで聞いてください笑。安く買えるブランドもあるんで。

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