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asiretok制作へ込めた思い

こんにちは!スタッフの平野です。
今回は、2021年10月より弊社が制作・発行をおこなっているフリーペーパー「asiretok」について、制作に至った経緯や思いなどをお伝えしたいと思い、この記事を書き始めました。
お手に取っていただいたことのある方も、そうでない方も。ぜひお読みいただけると嬉しいです。

asiretokって?

「アシㇼエトク」と読みます。サブタイトルは「知床に住む人」。
実際にフリーペーパー内に載せている文章をご紹介いたします。

「asiretok」はアイヌ語の「asir(アシㇼ=新しい)」と「siretok(シリエトク=知床)」をつなぎあわせた造語です。知床にずっと暮らす人も移り住んだ人も、世代を遡れば皆、知床へ流れ着いた人のはず。そんなイメージを知床の海へ漂着した流木に重ね合わせ、タイトルとロゴが生まれました。
数多の登山者が憧れる知床連山、オホーツク海に押し寄せる流氷、ヒグマやエゾシカなどの野生動物…豊かな自然があふれる知床ですが、人間の小さな営みが重なりあう、ごく普通の町でもあります。
小規模ながらも個性豊かな店が点在し、道端の植物は季節ごとに目を楽しませ、冬は中学校の校庭がスケートリンクとなってにぎわい、見守るように日本名山のひとつ、斜里岳が佇んでいます。
asiretokではそんな日常にある、人々の暮らしと日常を伝えたいと思っています。誰かにとっての「新しい知床」を発見する入口になりますように。


「知床といえば?」と聞かれると、皆さんは何をイメージするでしょうか。
世界自然遺産、雄大な山々、果てしなく広がる海、野生動物との距離の近さ……きっとこのような言葉が出てくるのではないかと思います。
私もそんな知床の景色の素晴らしさに魅せられたひとりですが、それと同時に「ここはひとつひとつの小さな営みが重なり合い成り立っているごく普通の町であり、個性豊かな人びとが暮らしている」ということにも大きな魅力を感じています。

たとえば、町を見守るように静かに佇む斜里岳は私にとっては特別なオーラを感じるとても魅力的な山ですが、ここで生まれ育った人に話を聞くと「昔からずっと見てるから今さらなんとも思わないなあ。ただの山」という言葉が出てきたりもします。
その言葉の裏側には郷愁や愛情……入り交ざった様々な感情があり、「この町には、いろんな人がいろんな思いを抱えながら暮らしているのだ」という、考えてみれば至極当然のことなのですが、そんなことを改めて感じさせられる場面に、何度も出会いました。

そしてその出会いのたび、私自身もこの町への愛着が増したり、複雑さや難しさに触れることで地域への理解が深まったり……さらには「町・地域」といった大きなものを知る・考えるというところに留まらず、日常のなんでもない風景がこれまで以上に愛おしく感じるようになり、自分の周りに当たり前にあるものを見つめ直すようにもなりました。

asiretokでは、お読みいただいた皆さんにも様々な受け取り方・楽しみ方をしていただきたいという思いから、知床に暮らす人びとの等身大の姿や、一見「普通」にもみえるような様子を紹介していきます。
どうかお気軽にお読みいただけると嬉しいです☺