見出し画像

中小企業M&Aアドバイザーが本音で語る、会社売却を成功させるためのコツ (page2/4 - 売却条件編)

※本記事は全4連載です。各記事毎に必要な章に絞ってお読みいただける他、完全版はこちらからお読みいただけます。

II. 売却条件を固めるフェーズ

仲介会社の目星を付けることと並行して、会社売却のための論点整理を行っていきます。論点整理と書きましたが、具体的には「売却前後の一連のストーリーと売却条件の矛盾をなくす」ことが目的です。(後ほど詳しく説明します。)自身が「なぜ売却をしたいのか」を改めて整理することにも繋がります。「とにかく売れれば良い」「エグジットしたい」と思っている起業家にとっても、このフェーズは重要です。

「売却理由」「売却条件」「売却後のストーリー」の3つに矛盾をなくす
もっとも意識するべきは、この点です。買い手に売却意思と希望条件を伝える際には「今までこのような思いで事業を行ってきたが、今回このような経緯と思いで売却をしようと決意した。売却した後はこうしたことをやりたいと思っている。それを実現するために、今回の売却条件としてはこのような提案をしたい」という一連のストーリーを語ると、相手に真摯に伝わります。

そして、そのストーリーに矛盾があってはいけません。もし矛盾があると「この売り主は何か嘘をついているのではないか?売却の本当の理由は他に裏があるのではないか?」と疑われ、それ以降交渉のテーブルに付けなくなってしまいます。M&Aは、買い手と売り主双方の信頼関係の構築が重要です。このストーリーの一貫性を徹底しましょう。以下に、売り主が語ってしまいがちなよくあるストーリーの矛盾例を挙げておきます。

よくある矛盾の例

ここから先は

2,271字

¥ 2,980

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?