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養殖・天然議論からクッキー☆を考える(2)

ハロウィン☆以降もカス☆やクッソー☆など、クッキー☆界隈の存在を意識しているように見える東方声当て動画が毎年のように投稿されている。それに応じて、養殖・天然議論もまた現代まで絶えず続いてきた。

しかし、何をもって「養殖」あるいは「天然」と呼ぶかについては、一定の明確なルールが存在している訳ではないようで、特定の作品は人によって分類が異なることがある。例えば、第二期以降のクッキー☆☆は解釈が割れる作品の一つである。

クッキー☆☆第二期および第三期は、第一期がクッキー☆界隈の侵攻を受けた後に作られた作品である。第二期以降が養殖であると主張する者は、企画者の大佐がクッキー☆界隈を認識し、その人気を理解した上で制作したことを根拠に挙げているようだ。一方で、企画に参加した声優はクッキー☆の脅威を十分に理解せずにその被害を受けたのだから、クッキー☆☆は天然であると主張する者もいる。

このような差異が存在するのは、前回述べたように養殖・天然議論の根本的な目的が、いわゆる「自売り」をする人物や集団を批判することであり、使用者によって批判の対象が異なるためだ。つまり、クッキー☆☆養殖派は、大佐が自身の名声のためにボイスドラマを制作したとして攻撃しており、反対に天然派は、他の悪目立ちした存在を攻撃するためにクッキー☆☆声優を引き合いに出しているのである。

「養殖」と「天然」の概念は、各人の主張のために恣意的に運用されてきた。これらに普遍的な定義を与えることは実情に即しておらず、主観的な分類であることを念頭に置いて取り扱うべきである。

(つづく)