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【読書メモ】隅の老人(バロネス・オルツィ)

訳:山田辰夫、山本俊子

「隅の老人」というタイトルが秀逸ですね。作者のバロネス・オルツィ氏は「紅はこべ」(「スカーレット・ピンパーネル」とも言う)の作者でもあるようです。女性の方です。

探偵モノの短編が10話収録されてます。最初の1話のみ、途中までのあらすじとネタバレありかもな感想を書きます。

フェンチャーチ街の謎
女性記者のポリー・バートンがお気に入りの店に行くと、老人が入ってきて、彼女の向かいの隅の席に着いた。「どんな事件も情報さえあれば解決できるはずだ」と老人は言う。フェンチャーチ街のあの事件・・・老人は語り始めた。
「夫が失踪した」。カーショー夫人とドイツ人の友人は警察にやってきた。夫人が夫から聞いた話を警察に話す・・・。夫のウィリアム・カーショーは昔、パーカーともう一人の男と3人で暮らしていた。あるとき、もう一人の男が競馬で大金を当て、パーカーは男を殺して金を盗み、国外逃亡した。その後シベリアに渡ったパーカーは成功して大富豪になり、名前をフランシス・スメザーストに変えた。このことを知るのはカーショーのみ。脅迫し、大金をせびるようになっていった。スメザースト(=パーカー)から手紙が届いた。「今度故郷に帰るので、今一度だけ君の要望を聞こう」。追って、当日の場所と日時を知らせる手紙も届いた。その日、カーショーは指定された場所に行ったが、帰ってくることはなかった。そしてバラバラ死体となって発見されたのだ。そういう経緯から「犯人はスメザーストだ」と夫人が警察に訴えると、すぐにスメザーストは捕まり、裁判が行われた。しかし、手紙の筆跡がスメザーストのものと全く違うこと、殺人が行われたとされる日から6日後にカーショーが目撃されており、証人が2人いたことから、スメザーストは証拠不十分で無罪放免となった。また、スメザーストは過去に「パーカー」と名乗ったこともなく、カーショーのことも知らないと言う。では、あの手紙を書いたのは誰なのか…?

このあと老人による推理パートが展開されますが、ごっそり削ってます。

過去にパーカーが犯した殺人をネタに揺すり、大金をせびろうとしたら、逆に殺されてしまったでごじゃるな話です。過去の殺人の真実(犯人は本当にパーカーなのか?)については触れられていませんでした。そっちのが気になるww

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