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【読書メモ】タイタンの妖女(カート・ヴォネガット・ジュニア)

訳:浅倉久志

全12章+エピローグで構成されてます。第1章「ティミッドとティンブクツーのあいだ」のみ、あらすじと感想を書きます。この範囲内のネタバレ有りです。

あらすじ
アメリカのニューポートにて。ラムファード邸の中で、実体化現象が起ころうとしていた。この9年間、59日ごとに起こっている現象で、1時間のみ一人の男(ラムファード)とその愛犬カザックが「無」の中から出現し、実体化するというのだ。ラムフォードとカザックはかつて自家用宇宙船で時間等曲率漏斗(クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム)の中に飛び込んでしまった。以来、過去と未来を見通せるようになり、人の心も読めるようになった。現在彼らは波動現象として存在しているのだった。
群衆をはじめ知識人たちも実体化現象が起こる瞬間を見たがっていたが、「それ」が起こった後、ラムフォード夫人が発生時刻と彼らの健康状態をそっけない文書で報告するのみで、見られずにいた。しかし今回、ラムフォードの知り合いの31歳の相場師、マラカイ・コンスタントが夫人から招待を受けていた。夫人は反対したのだが、「実体化の際に同席してほしい」とラムフォードが言ったのだった。コンスタントがラムフォード邸宅の噴水に登って待っていると、カザックの鳴き声が聞こえた。実体化したようだ。館に走ると、老執事とラムフォードが出迎えた。握手しようとすると、電流がピリピリと流れた。今触れているのは、波動現象の単一の交点でしかないようだ。
夫人は34歳。地位と財産を持ち、健康と美貌と詩の才能に恵まれるが、心の悩みを持っていた。夫人はラムフォードの「占い」が気に入らず、最初の実体化以来、彼に会うのを避けていた。占いによれば、夫人とコンスタントは火星で結婚し、その後火星人に家畜のように扱われるらしい。コンスタントの目的地はタイタン。そして2人の息子としてクロノが生まれる。クロノが拾う金属片を「幸運のお守り」と名付けるだろう。それは大切なものだから目を離すな、ということだった。夫人はタイタンには行きたくなかったのだが…。そして時間が来てラムフォードは消えた。

実体化現象のSF的説明がよく分かりませんが、まぁなんかホログラムのように現れることができるというのは分かりました。過去や未来が見通せるようになったのはアカシックレコードでも見たのでしょうか。そして「ボクの妻と結婚してください」の世界に…!

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