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【読書メモ】未来世界から来た男(フレドリック・ブラウン)

訳:小西宏

ショート・ショート集でしょうか。短編がたくさん載ってます。表題の「未来世界から来た男」のみ、あらすじと感想を書きます。ネタバレ有りです。

あらすじ
4000年先の未来の世界からやって来たジャン・オブリーン。マチ博士と所長により、時間装置を使って20世紀半ばの北米に送られたのだ。農耕地に降り立ったジャンは、たまたまそこに居合わせたスーザン・アレンビーと出会った。スーザンはジャンが怪我しているのを見て、手当てをした。2人は好意を持つようになり2日後に結婚。このとき、スーザンの兄のルウ・アレンビーは出かけて留守にしており、2人の結婚のことは後で知った。スーザンとジャンはお互いに惹かれあっていた。ときには兄ルウも入れて3人で、お互いの時代の社会制度や生活様式について語り合ったりもした。フと、ルウが未来世界の人種問題について尋ねると、ジャンは「人種はない」と言った。戦争後、白人と黄色人種が互いに大部分を殺しあい、アフリカがしばらく世界を支配していた。人種は植民と雑婚で融合し、ジャンの時代までにそれは完了していた。ということは、ジャンにもニグロの血が混じっているのか?ジャンに聞くと「少なくとも1/4は混じっている」と答えた。ルウは怒りがこみあげてきて、ジャンを殺してしまった。ニグロの血が混じった者が妹と結婚したのが許せなかったのだ。だいたい未来世界から来たというのも、ニグロの作り話に違いなかったのだ。

表題作ですが、いきなり黒人差別的な内容で驚きます。1963年に出版された本は、まだこんな感じだったんですね。訳者も「ニグロ」と訳してますし。

4000年先の未来では20世紀半ばの歴史が失われており、調査にやってきた、という体です。

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