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令和DINKs、迷いながら親になる。

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都内在住、IT業界でハードに働き続けた筆者(30歳)が20代後半から苦悩した「子供が欲しいのか分からない、というか考えたくない。」というひとつの本音をスタートラインに、仕事と家族…
このマガジンは月1〜2本で追加され、出産予定日の2022年秋頃にかけて10本程度のマガジンになる予…
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2022年7月の記事一覧

一人目が「男の子で良かった」と感じた自分に、酷くガッカリした話。

「股の間からチョンって飛び出てるでしょ、男の子ですね。」 担当医に言われながら目線をやった先のモニター越しに、確かに朧げながら小さな息子の息子を視認した。本当にこれが?と思うぐらいのサイズではあったのだが、よくよく聞いてみるとほぼ間違いないらしい。 青天の霹靂とまではいかなかったものの、これで我が子孫の身体上の性別が「男の子」だということが発覚した決定的瞬間であった。それは妊娠6ヶ月をすぎた、梅雨入り前の季節であった。 (男の子、か。) どうにも全然実感が湧かなかった

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地味な母性でもいいじゃないか、と思った話。

こいつ、いつ死ぬのかわからんのだよな。 不意に、不穏な言葉が脳裏をよぎる。自分の下腹部に目線を落としてそろりと自身のお腹を撫でてみるが、まだ膨らみもなければ大した動きもない。しかしそこに自分ではない「何か」が芽生えたということは科学が数値という記号を用いて、確かな現実を示していた。 当時のわたしはまだ妊娠5週目であった。 検査の結果、心拍を確認した担当医から「おめでとうございます」と告げられたのは良いものの、内心わたしは素直に喜べないでいた。それは事前にネット情報で知っ

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