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去年の青森ねぶたの話。

私は去年受験生だった。受験生にとって夏休みはかなり重要だ。こんなときに真面目な性分なもので、受験生が勉強をしないことへの罪悪感で、これを見たら勉強頑張ろう、と素直に思えなかった。それでも、どうしても見たかった。見なかったら絶対に後悔すると思い、学校の講習が終わった後、ついに決意して、制服のまま電車に飛び乗った。去年のねぶたは、何かが違った。令和に年号が変わり、すべての作品が豪華で華やかで新年号を祝福しているようだった。興奮、人々の熱気、夏の暑さの中で、何よりもねぶた師たちの、作品に込めた熱い思いに圧倒されて言葉が出なかった。夜遅くなってしまうので最後まで見ることができなかったのが残念だったが、電車の時間ギリギリまで残り、そして駅へと必死に走りながら見たねぶたのことは一生忘れない。