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007_【映画感想】「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」を改めて観たよ

 本日はこちらの映画を観ておりました。たぶん3回目。初見直後にふせったーに感想をつぶやいたんだけど、それも併せて、あらためて好きだなと思ったところとかをつらつらと書いていきます。
 もしまだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、今すぐこの記事を閉じて、ぜひぜひ観てください。初見、大切に。
 てかこれ2021年公開でびっくりした。そんな前なの……?

■映画作品としてのスゴさ

 この映画、あまりにもテンポが良すぎる。映画館で映画観てるときに現れがちな「あと残り何分くらいかな」の悪魔が全く姿を見せなかった。
 だって、始まってから学園正門前に到着するまで10分もないのに、「しんちゃんたちが、どういう経緯で、なぜここにいるのか」の状況把握が完璧にできるのすごくない?描き方がスマートすぎる。
 おまけに「最終決戦の手段」「風間君の手紙」「最終決戦」「仲直り」を後半20分につめてくるの天才すぎる。映画の残り20分ってクライマックスの部分がくるじゃん?それ自体は定石なんだろうけど、あまりにも密度が濃すぎる。徹底的にテンポがいいのに中身はぎっしり。すごすぎる。

 あとは伏線の張り方がすごい。ガンガンミスリードさせてくるし、めちゃくちゃ真面目に考えてしまった。
 本格ミステリーなのにクレしん要素を余さず使っていて、超重要ヒントの「33」ですら徹底してケツなの本当に最高すぎる。それでも「被害者が死んでおらず、ともに行動している」という難しい状況をカバーするために風間くんをハシビロコウにしてむりやり黙らせておくの、シリアスな展開の中でどこまでもコメディー味がしてすごい。
 シリアスといえば、時計塔でのしんちゃんと風間くんとの一騎打ちとか、かなりドキッとするようなシーンがたくさんあったけど、あの時も持ってたのスッポンとデッキブラシだし、そういうギャグとシリアスのアンバランスさ、流石だなと思った。

 キャラクターも魅力的で良かった。しっかり防衛隊との絡みと活躍のシーンが描かれててすごく嬉しかった。ボーちゃんとろろさんの一連のくだりとか、番長がマサオくんと2人で話す回想のシーンとかがお気に入りです。

■心理描写とかいろいろ

■野原家

 あれもこれもってリュックにつめてしまうみさえママ、「母」という感じがして最高によかった。てかこの映画全体を通してみさえの描かれ方がすこぶる好きだ。バスを見送った後泣いてるのもじんとくる。自分がまだ成人してないうちに見てたら大袈裟だな~って思うんだろうけど、今だからわかる。泣くのわかる。子供いないけども。

 あと、結構いろんなところにあった描写なんだけど、「確かに□□は○○だし○○なところもあるけど!」って発言、スラスラ出てくる時点でその人のこと大好きなんだろうなと思うし、それだけ一緒にいる時間が長くて、それだけ見ているし知っているからこそいえる言葉だよなと思う。しんちゃん→みさえママ、しんちゃん→風間くん あと多分手紙のシーンで風間くん→しんちゃん のところとか。

 最後の野原一家とチシオちゃんのシーン、ぜんぶすきだ。また泣いた。よかったねチシオちゃん。そしてみさえとひろしのあの言葉も、チシオちゃんのこと元気づけなきゃ!って言った訳ではなく、本人たちの純粋な本心なんだろうなって思う。すごいなあ。

■風間くん

 風間くんが子供らしくワクワクしてるの、とても良かった。今回の主役みたいなもんだと思うんだけど、いつもおませだから子どもっぽい欲とか感情とかが垣間見えるの微笑ましかった。
 「いつまでも皆と一緒にいたい、でもエリートの夢も諦めたくない」が、「みんな一緒にエリート校に入学すれば、ずっと一緒にいられる」って結論に行き着く風間トオル5歳の思考回路、プラマイどっちもの意味で愛おしかった。子供のわがままでしかないけど、そもそも自分の気持ちをあけっぴろげない彼が、頭を悩ませてたどり着いた結論なんだろうなと思うと本当に本当にさあ……。
 彼に関しては、本当に丁寧に描かれていたと思う。ノーエリート続きで食パンの耳たべてるところをサスガ君に見られて恥ずかしがるところとか、しんちゃんのチョコビぶちまけたところで「しまった」って顔するところとか、マラソン中、しんちゃん達の邪魔をするオツムンに「それはちょっとずるくない?」っていうところとか。
 仮面の漢字を間違えて恥をかくシーン、マセガキだった経験のある全人類にあらぬ角度からぶっ刺さるトンデモシーンだね。それはそうとまさか伏線だとは思わないじゃんね。

 大喧嘩シーン、チョコビの件で風間くんがしんちゃんのママを引き合いに出したあたりで妙に心臓ばくばくしてしまったんだけど、しんちゃんが「かあちゃんはダメなんかじゃない」ってしっかり言い返すとこでまた泣いた。 喧嘩で超えては行けない線を超えてズブズブになってくの怖いくらいちゃんと描かれててよかった。「おまえなんか嫌いだ」がどれだけ強い衝撃を持つ言葉なのかをちゃんとわかっている人が描写する「嫌いだ」、しっかり質量を持ったエネルギーの塊なので健康に良い。心臓がばくばくしたので……(?)
 「風間くんがいなくなっちゃったのよ!」「トイレじゃない?」のところ、 "さっき喧嘩した相手に対して、そしてみんなに対して気まずいところがあり、なおかつ事態に対して無関心を装っている"声色だった。小林さんすごすぎる。読みすぎかもしれないけど、そこまで読ませすぎる小林さん本当にすごすぎる。

 去年のラクガキングダムの時も思ったけど、「しんちゃんがめちゃくちゃいい事を言っています!ほら!感動したでしょ!」って感じでは全くなく、野原しんのすけ5歳から出たそのままの気持ちなんだなと、純粋にそう思える。風間くんとは反対に、自分の気持ちを口に出して言えることが多い子だと思うので……。
 それがあるから、自分の本心を隠そうとしたり気丈に振舞っているみたいな描写があるとより刺さってしまう。野原しんのすけ5歳、おそろしい男だよ。

■そのほか好きなとこ雑記

・みさえママがパンツ盗み履きする妄想シーン
・バスの中でうきうきな風間くん
・でかいケツのオブジェ、池
・吸ケツ鬼!血じゃなくておしりを吸うのよ!
・野原家の夕食のシーンで、味噌汁の豆腐が離れていくやつ
・しんちゃんの脳波を見た時の字幕「(しり細胞 しんのすけたち)」
・>>薔薇<<
・OPとED。神。

 時間切れ!とても書ききれなかったので、まだ見てないのにここまで読んでしまった人は今すぐ観てほしいし、一回観た人もまた観てほしい。何回観てもおもしろいってすごいことだと思うの……!

 また映画館で映画を観たい!近いうちに行ってこようと思います!

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