従兄妹たち

自分は一人っ子だが、同世代の親類、従兄弟は合わせて八人いる。みんな兄弟だ。男女比率では1:3で女性が多い。

年が近いのは叔母の子供二人。兄は一つ上、妹は一つ下。だが、私が早生まれなので兄の方と同じ学年で、妹の方は二つ下になる。
ほかの従兄たちはかなり年が離れる。というのは、私が「兄、姉」の夫婦の子で、年の近い従兄弟は叔母の子。女性の方が結婚が早いので年が近くなる。ほかの従姉は父方、母方の叔父の子供。だから間が空いている。

というわけで、一番親しかったのは年の近い兄妹だ。ところが、困ったことに、男二人の成績が良すぎた。
別に従妹の成績が壊滅的というわけではない。普通かむしろ優秀だったのではないかと思う。ところが兄と従兄(私だ)はトップクラスを突き進んでいた。二人とも友人からは「理科の天才」と言われるほどそちら方面に強く(私は従兄の友人たちに紹介されたとき、「やはり理科の天才なのか」と従兄に尋ねるのを聞いている)、そのほかの方面でもそれなりの点数は取っている。そして努力型では決してない。がり勉するでもなく何となく点数が取れてしまうタイプだ。
高校進学も県内トップクラスの進学校に進み、大学も誰もが名前を知っている学校に進んだ。偶然なのかわからないが、二人とも化学を専攻した。
従妹もそう悪くはないキャリアだ。地方国立大学に現役で合格するくらいなのだから悪いわけはない。ただ、比べられる相手が悪すぎただけである。
もう一つには、従兄妹達の方一方の親戚もやはりすごいのである。何しろ伯父が国立大学の学部長である。そちらの親族とは私はあったことがないが(血縁関係に無いので)男ばかりだとは聞いている。そしてやはり優秀なのだろう。彼女から見れば従兄は男ばかりで寂しかったという。その後、叔父に三人娘が生まれたので同世代に女が少ないという状況からは脱した。

母方のいとことは年が離れている。上二人が女で、それからまた間が空いて弟が一人。最後の男が最終的には叔父の家を継ぐはずである。
こちらはずっと田舎育ち。というのも叔父が専業農家なので土地を動くこともない。仕事をしているのも自分の土地の中なので(最近は農業をやめた人の土地を借りていろんな作物を作っているが)、他所に出るという選択肢はなく、いわゆるマイルドヤンキーを地で行っている。
実際、姉の方はいわゆる出来婚である。恋人と付き合ってる間に妊娠したのでさっさと結婚してしまった。と言って柄が悪いわけではない。私から見てもおとなしいし、ぐれた様子もないし頭も悪くない。そして美人である。結婚そのものも誰から反対されたわけでもなく、すんなり決まってしまった。家族間の付き合いも普通。相手も普通のお兄さんである。ただ、少し大柄な従妹より背が低い。

こちらの従弟はどうも学生時代はやんちゃなことをやっていたらしく、一応大学は出たものの結構成績では困っていたようである。今では結婚し、二人の子供の父でもある。子供のころは私に付きまとっていた。何しろ男の近い世代の親類が私しかいないのである。ただ、この先どうなるかはよくわからない。叔母(彼の母)は「彼が継いだらうちがつぶれる」と言っていたが、これは彼の能力を悲観したものか、それとも専業農家という事業そのものの未来を悲観したものか不明である。

真ん中、つまり妹の方だが、彼女はいまだに独身。私から見ても少し険のある性格だった。と言ってもマイルドな姉と比べられたせいらしく、別に荒れているわけではない。現在看護婦をしており、どうやら片思いの先生がいるらしいと聞いている。頑張ってほしいものである。

こちらは二人が結婚し、どちらにも二人の子供がいる。ただ、名前が…結構きらきらネームだし、そもそも最初の子供が「萌」である。ここの家族はどこの萌えゲーのキャラクターかといったような名前ばかりになってる。従妹ふたりもその系統の名前と言えなくもない。但し、農業に関わる名前ともいえるので、そういうのを意識したとは思っていない。

ややこしいのは父方の叔父の娘である。最近は下の二人とは全く顔を合わせていない。
そして、一番上の姉は、障碍者である。遺伝子異常で知能面にも問題がある。今は施設に通い、それなりに働いてはいる。一度など、ステージ4の子宮がんを患い、全摘出をしている。どうやら寛解したらしい。
下二人がどうしているのかはほとんどわからない。まあ、普通に社会人をしているようだ。そろそろ嫁の口があってもいいというかそろそろ適齢期も過ぎそうなのでどうするものなのだろうか。

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