美人は…

三日で飽きる、と言われる。確かにそうかもしれない。でもそれは毎日そばにいればということだろう。アイドルなんかは基本美形だ。でもファンは飽きることがない。そばにいるわけではなく、常にあこがれだから。

実は、私の母は、美人だ。私を直に知ってる人はまさかと思うだろうが、十人が十人「美人」と認識する容姿の持ち主である。さすがにもうおばあさんだが。でも自分の母を「美人だ」と自慢する気にはならないし、そのようなことを特に言ったためしもないと思う。そもそも離れていてほかに会わせる人もいないし、会わせて「美人だろ」と確認してもしょうがない。自慢したところで私自身の容姿がよくなるわけでもない。

それに、いくら美人だと認識したところで、関係が変わるわけでもない。私とは母と息子以外の関係はない。だから本人に「美人だ」などということもない。というか普通、息子がそんなことを言うものではなかろう。
これが「飽きる」ということなんじゃないかな。
だって、常にそばにいたのだから。

父はどう思っていたのだろうか。やっぱり三日で飽きたのだろうか。
まあ、母自身は美人と言われると気をよくしていることが多いのだが。

ちなみに母方の親族は美形だらけである。男も女も。

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