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恥ずかし飯 3 アジア圏でまぜて

家にジャスミンライスのワイルドライスっぽい色つきのやつが眠っていた。コロナ前に入手して、海外にいけなくなったのでもったいなくて食べなかったら、古米になっていたものだ。ジャスミンライスなどの長粒米は、サラサラで食べるのが身上なので、新米じゃなくてもいい。インドの方でバスマティライスはビンテージ米のほうがお値段が高いという。なので、3年くらい眠っていたので、いい頃合いである、と考えることにした。

使ったのは右のやつ。

こういう長粒米は当然だが日本の米にあうおかずには全く合わない。かつて米不足がおこったときに、タイ米がまずいと評判になったものだが、ジャスミンライスは香りが高いものに価値があり、それは日本の米とはだいぶ違うにおいがするので当たり前だ。タイ米では無理だ。しかし、アジアは広い。日本に似た米、香りが高くない米もあるし、あ、あとカリフォルニアで作られているジャポニカ米だってあっただろう? と思うのだが、まあいろいろあるので、ほんとのところは聞いてみないとわからない。そう、とにかく長粒米には日本のおかずは合わないのだ。だから、まあ味の濃いひき肉のなにかをつくって、それと一緒に食べるのがよいのだろう。

我が家には、行く先々で購入して、コロナの期間中にちびちび使うようになり、しかし賞味期限はとうに過ぎて冷蔵庫にはいっているような調味料がいろいろあるので、在庫一掃ひき肉の一品を作成。二度とは同じものは作れない、毎度おなじみのやつだ。にんにく、生姜、長ネギをみじん切りにしてごま油で炒めて、そこに豚のひき肉を投入。炒めてバラバラになったら、調味料を鶏ガラスープで溶かしたものをぶっかける。必ず入れておかねばならないものはほどよい辛さにするための豆板醤とグルタミン酸ましまし用のオイスターソースだけだ。あとは本当に適当にいれていい。ひき肉の脂で肉の一部が揚げ物的になるまでのんきに炒める。

冷蔵庫にある、きゅうりとたまたまあったもやしと紫蘇の葉(緑)を確保。そして我が家にはよくパクチーがしなしなになってあるのでそれも。できれば、パクチーは入れてくれ。異国感が増す。他の野菜も入れたって構わないと思うが、異国感が薄まっていくのは覚悟の元でよろしく。きゅうりともやしとパクチーは、南のほうの屋台飯でつかわれる野菜の三大巨頭ではある。そして、我が家によくある。紫蘇の葉はいれるといれないとでは大違いなのだが、いれてもいれなくてもおいしい。とにかく、そのようにして、アジア旅行にタイ米ならぬ大枚をはたいてきた(てへ)経験だけをたよりにできあがった、ごはんと盛大にまぜてたべる。うぬぼれではあるのだが、このごはんはアジア一帯(インドでは無理)で屋台で出せる味だと思う。