ボカデュオ ロイドロジー/ヘプタトーン編

ご無沙汰しております。白波です。いかがお過ごしでしょうか。
僕はつい二日前までコロナで生活が終わっていました。これももう少し早く書くつもりだったのですが、病床に伏していたため今になりました。健康にはくれぐれもお気をつけて…。

ボカデュオ2曲出ました。聞いてくれた方ありがとうございました。別テイストで2曲同時期だったのでちょっとしんどかったですが、両方オキニの曲ができたので、誘っていただいたひらぐりひらりさんとAbyss DIVAのお二人には大感謝です!
いつも通りのセルフライナーノーツになります。ちなみに両方ともボカロ版は出ません。二曲あるのでそれぞれ別の記事で書いていこうかなと思っています。

ロイドロジー / ヘプタトーン

好きに作ってください!とのことで結構好き勝手作りました。
もともとはキタニとか時雨あたりの曲調でデモをこねたりしていたのですが、あまりに白波節すぎてせっかくのボカデュオなのに…と、ちょっとつまらなかったので、普段しないアプローチをしてみたりしています。
ところでお二人とも本当に歌がうまくてびっくりしました。仮歌をSynthesizerV AIとCeVIO AIのベタ打ちで渡したんですけど、やっぱり人は超えられないね~と実感しなおしました。
イラストも動画もMIXもす、すげ~…しか言えない感じになっていて(恥ずかしかった)自分の曲が何倍も何十倍も一気に屈強になった!と思いましたまる

おしゃれな曲名はショウ・チャンさんが考えてくれました。曲名考えるの苦手なのでかっこいい曲名を考えていただき嬉しかった。

歌詞について

僕はVtuber、Vsingerの界隈に決して明るいとは言えない生活なので、Vの人たちとリスナーの人たちの関係性、距離感ってどうなんだろうというところからいろいろ調べたり実際に二人の配信をこっそり見に行ったりしてました。(お二人には言ってないけど)

いわゆる個人勢の方も企業VTuberの方もいろいろ見に行って、リスナーの皆さんにとっては推しであり、ヒーローであり、お守りであり、家のような存在なんだろうなとぼんやり掴めたあたりで歌詞を書き始めたので、方向性としては(あくまで僕の解釈としての)Abyss DIVAのお二人 - リスナーの皆さん間の関係性にフォーカスしたような歌詞になっています。

あとはLuKiaさんのパーソナルカラーが紫、MahiLuさんのパーソナルカラーが赤だったのと、お二人が人間の感情を学ぶために活動しているアンドロイドだったので、「感情と色」もテーマになっています。

感情と色は心理学的にも関係性があるとかないとかで、「激情の赤色」とかから汲み取ってもらえるとな~うれしいな~といった具合です。歌詞の中でいくつの感情を色に例えてるか数えてもらっても面白いかもしれません。たぶんそんなにないけど。

歌詞の構成については結構王道で、1番の歌詞と2番の歌詞が対になっている構成になっています。各セクションでおおまかな対になっているので、合わせてみると分かりやすいです。

1A

プログラムされた私の感情
呼吸のよう、続いている
サイダーの刺激とか空が青いこととか
理解している

2A

ホログラムじゃないさ私の情景は
激情、焦燥も抱いている
サイダーの懐かしさや空が深いこととか
数字じゃ描けないでしょう?

アンドロイドと人間の違いってどこだ?とぐるぐる考えていたのですが、その一つとして、情報としての「刺激」や「青色」は人じゃなくても処理できるけど、「懐かしさ」とか「空の深さ」みたいに、五感の情報を思い出や心情にリンクさせるのは人間にしかできない営みだよなというところにたどり着いて、1→2番の曲の展開と合わせて二人が人間の感情を学んでいくという時間の経過を描いています。描けてたらいいな。

続き

言葉さえ零れ落ちるのなら
曖昧な感情も切実な愛情も何一つ変わらないのだろうか
遠く響く声に縋って
それでもこの声でこの言葉で、伝えられてしまえば!
深淵のように深く続く三千世界も、逆鱗の赤色も、悲哀の青も
全部私に成って
暗闇に色を落とす光になるのなら
清も濁も酸いも甘いも全部飲み干す覚悟はとっくにできている

言葉ってどれだけ身振りや声色を駆使しても、よくて7割くらいしか気持ちを伝えられないと思っていて、そこに行動や信頼が積み重なってやっと10割に近付くものだと思っているんですけど、そういう話がしたかった。

それに加えて、喜怒哀楽のすべてが私(=Abyss DIVAの二人)を象り、そうやって形成されていった魅力や思いやり、優しさ(=人間性)が誰か(=二人のリスナーさん)の暗闇に光を落とすのなら、清濁併せ飲み酸いも甘いも嚙み分けていく覚悟を持っているんだ!という話がしたかった。
曲が完成して思ったけど、これはすべてのクリエイターに共通する、というか、していてほしい。みんながこんな純粋な気持ちで創作に向き合っていたら素敵だなという僕なりの願いです。

2番

今をこの声でこの言葉で守っていけるなら
私、弱さもきっと隠さないから
深い暗闇から手を伸ばした私を見つけてよ
空が泣いても冷たい雨を撥く傘になってあげる
深い哀しさは私の声で溶かして雨に流して

それでもこの声でこの言葉で伝えられてしまえば
深淵のように深く続く三千世界も
逆鱗の赤色も悲哀の青も
全部私に成って
暗闇に色を落とす光になるのなら
清も濁も酸いも甘いも全部飲み込んで深い暗闇から光を届けたいの

1番が積極的な姿勢(私が支えたる!みたいな)だとしたら、2番は後ろ盾的な意味合いにしたくて、最初に書いたところでいう「お守り」や「家」というニュアンスを出せたらいいな~と思っています。ここでも雨と傘をモチーフにしていて、ボカロック投稿祭と近い時期に書いていたことがばればれですね。

曲の最後にお気に入りフレーズを持ってくることができて満足しているのですが「深い暗闇から光を届けたいの」というのはAbyss DIVAというグループ名から着想を得ていて、深い暗闇=Abyss、DIVA=歌姫→「光を届ける」という解釈(違ったら本当にごめんなさい、スパチャ送ります)で書いています。

たくさん書いてしまいましたが大体そんな感じ。

音とか編曲とか

歌詞と同じでAbyss DIVAのお二人の出自に合わせて、全体的に生身感と電子感のバランスを微妙な感じにしたいと思いながら編曲を進めました。ドラムは生系とワンショットをレイヤーしていたり、ギターは切り刻んでシンセみたいにするパート(流行ってるやつ)と生演奏感を混ぜたり、ベースは打ち込みのぺしぺししてる音と弾いたスラップの音がシームレスに切り替わったりと、曲として破綻しない程度の"どっち付かず"感をどう出すかみたいなところでぎりぎりまで悩んでしまいました。結果的に謎のドロップみたいなところができてしまい、動画ほんまにごめんなさい!!!!!と思いながら投げました。本当にごめんなさい…綺麗にまとめていただいてありがとうございました。。。

あとはいい加減ポエトリーしつこいかなと思ってやらないつもりだったんですけど、せっかく人に歌ってもらうなら入れたほうがいいかと途中で思い直し、急にお願いしました。快諾していただいたので入れました。やっぱいいね。

音とか編曲はそんな感じです。ベースが変なフレーズ弾いてわけわからんオンコードになるやつとかはいつも通り入っているので、そういうの好きな人は聞いてみてください。

まとめ

以上です。長く書いちゃったな。
ボカデュオは毎回メンバーの皆さんと仲良くなるぞ!という裏目標を掲げていて、今回も同じだったのですが、みんなのことを気軽に呼ぼう!あわよくば「るきさん」「まひさん」とか呼ぼう!みたいに思ってたけど緊張して全然無理でした。

機会があれば、(別にお仕事とかじゃなくても全然いいので)それぞれにエゴ満載の曲書いたりもしてみたいな~と思ってます。リリースカットピアノをふんだんに取り入れたゴリゴリの白波式高速ボカロックをLuKiaさんに歌ってもらってかっこいい~~と目を輝かせたいし、情景描写と魂のロングトーンギターソロを含む白波式激エモ曲をMahiLuさんに歌ってもらってみんなで泣きたい。あっちゅんさんや市川さん、うらるさん、ショウ・チャンさんにもタイミングがあればお仕事依頼したいな~と思ってます。僕のロゴとか書いてくれるんだろうか…?

長くなりましたが、引き続き2曲目も時間を作って書いていきます。それでは、またどこかで!

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