神様

#創作大賞2024
#ミステリー小説部門

第十八話

「あーもう、ファンタメロン吹くかと思った。吉井さん、あきとが生きてるって事ですか?」
「そうですね、死んだことに、秋斗さんがしているので、大きな声では言えませんが。」
「っていうか警察の内部情報しゃべっちゃっても大丈夫なんですか、って、警察じゃないんでしたね。」
「はい、警察は全然ここまでの情報たどりついてませんね。」
ふー、わからない、いや、わかるけど。
再び顔を手でおおい、指でまぶたに触れる。

「ええと、あきとの死体は何だったんですか。」
「秋斗さんは言っても結構裏社会とつなっがってましたんで、無縁仏のご遺体を使わせてもらったみたいですよ。」

あきとが生きている。
そんなことが、、
「ちなみになんですけど。」
「はい。」
「まあ、ちなんでないんですけど、、」
「神様はなんで私に、あ、やっぱ違う、違うや、吉井さんは、何で私に神様だと教えて下さったんですか。あの、もうね、根本的な質問です。」
「そうですね。あの、、前にもお答えしましたが特に意味はないというか。」
「あの、だいたいね、何でさえないサラリーマンていうか警察官か、、何で神様なのに、そんな感じなんですか。」
「あの、みなさんの神様のイメージってあると思うんですけど、姿ってどうにでも、なるんですよね。だから僕も色んな感じで出歩いてます。美少年になってみたり、子供になってみたり。気が向いたら、普通にみなさんの中に溶け込んでみて、フッとまた消えます。」
「何で美紗緒や中野さんの記憶は消したんですか。」
「消したというか、神様の記憶は残さないものなんですよ。」
「何で助けてくれたんですか。私が襲われた時も、美紗緒が監禁された時も、警察じゃないのに、神様って一体、、」
「通りすがりの行きがかり上といいますか、葦原の中つ国の人々が苦しみに合っているのに出会わすと、助けてしまうんですよ。」
「あしはら?」
「はい、ええと、地上の、、」
「まあいいです分かりました。とりあえず、あきとの話に戻ります。
えーと、ファンタ飲みます。乾杯。」
「まだ飲んでなかったんですか。」
「うん、それで、あきとは何で死んだことにすることに、することに、したの?」
「覚醒剤の量が、紛失するには多すぎて、今回は命が本当に危なかったので、自殺を装った、という、あれですね、それに、秋斗さんは、半グレの世界からとても抜けられない状況だったので、どうにかして、出たかったのでしょう。」
「生まれ変わりたい、みたいな?」
「そうですね。」
「そうなんだ、、でも生まれ変わるって、ちょっと悲しい。あきとが、私とも会えなくなっていいと思ったっていうことだし。」
「秋斗さんは、香里さんとの出会いで変わったことは、言うまでもありませんよね。」
「え、、。」
「裏社会から出て、償いながら、人とまっすぐしゃべりたいと、思うようになったんです。香里さんと出会ったからです。」
「吉井さん。あの、あきとに会わせて下さい。」
「神様を便利づかいしないで下さい。」
「だって神様しかこんなこと頼めるひといないし。ひとじゃないか。」
「お願いします。セブ島まで連れて行って下さい。なんか瞬間移動とか、できるんですよね、どうせ。」
「今中さん、なんかキャラ変してきてませんか。」
「してないですよ。セブ島に、、」
「秋斗さん、日本にいますよ。ただし、顔や名前は変えてます。」

「だからそれを早く言ってってばーー!」

会える。

会えるんだ。


(第一話から読む)https://note.com/preview/n6c2fe12cbfca?prev_access_key=bc180a14718fca04d6e121edae0c29c9


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