『星合の空』やべーよって話

『星合の空』ってアニメが只今絶賛放映中ですが、なんなんですかねあれ、最高過ぎて無限にツイートしてしまいそうになるのでいっそ腰を据えてこんな物を書くことにしました。

ブロガーや日頃からアニメの感想をまとめている人のように1話ごとに画像を交えつつ語っていくようなことは出来ないので、現在放送済みの四話まででグッと来たポイントを思いつくままに書いていくだけの自己満記事にしかならないと思います。まだ見てない人の参考とかにはならないかもしれないのをご了承ください。

とりあえずですね、キャラクターみんな声が良い。アニメなんだから当たり前っちゃ当たり前なんですけど、イケボとかそういう話ではなくて、いやもちろん皆さんイケボという括りに入るんでしょうけど、なんとも言えない生っぽさが全員にあるんですよね。

まずソフトテニス部部長である新城柊真。声優は畠中祐さんですね。私は『鋼鉄城のカバネリ』くらいでしか声を聞いたことがなかったんですが、あれを見ていた当時も感じた独特の、誤解を恐れず言えばあまり声優っぽくないというか、アニメっぽくない演技が素晴らしい。

そして一番良いなと思ったのが、見た目も性格も部内で最もヤンキーっぽい曽我翅。彼を担当する豊永利行さんも、やろうと思えば気障な感じにも出来るんでしょうが、なんとなく朴訥とした雰囲気の演技をいつもしている印象があります。さすが舞台役者(出典:デュララジ)。今作でもそれは存分に発揮されています。ワルぶってるけど絶対優しくてめちゃくちゃ良いやつなのが伝わってくる声。

主人公の桂木眞己に関してはわざわざ言うまでも無いでしょう。個人的には『東京喰種』と『NieR:Automata』で絶大な信頼を寄せるに至った花江夏樹さんはもう全シーンで花江ワールド展開されてますよそりゃあ。あえて言うなら女子ソフトテニス部を見学中に発した「なるほど」の言い方にキャラとのシンクロ率の異常な高さを感じました。

声の話はこれくらいにして、ストーリーの話をしましょう。キャラクター一人一人がそれぞれ形は違えど何かしら闇を抱えているのが本当に良いんですよね。四話時点では眞己を筆頭に柊真、少し斜に構えたインテリヤンキー的な雨野樹、眞己が引っ越してきたタワマンの下の階に住んでいて「くだらない」と言いつつ彼等を興味本位から観察している、実は神絵師な御杖夏南子、穏やかだけど色々呑み込んでしまってそうな副部長・布津凛太朗、といったキャラクター達の昏い部分が描かれていました。

特に眞己と樹のエピソードが衝撃的です。離婚して家を出て行った(追い出された?)眞己の父親が眞己に金をせびりに来て暴力まで振るう。そんな父の前では眞己も普段の超然とした自分を失って怯えるただの小さな子供になってしまう。父親を演じているのは中井和哉さんなんですが、なかなか他では見られないくらいのゲス野郎っぷりはむしろ惚れ惚れするほど。絶対そんなことないだろうけど実はああいう人なんじゃないかとの疑いを一瞬持ってしまうのは必定です。

あと思わず声、昨今見かけるオタク的表現を使えば「聲」ってやつですか、それが出ちゃったのが樹の過去ですよね。致命的なネタバレをするのは望むところではないので明言は避けますが、まさか育児ノイローゼになった母親が我が子に熱湯をかけるシーンなんてものが出て来るアニメだとは思わなかった(ネタバレしてんじゃねえか)

そして何より私がこの作品の一番の魅力だと考えているのは「細部」です。とにかく細かい部分の描写が冴え渡ってます。

グラウンドを部員全員で走るシーンで、一人一人走るフォームが違うんですよ。他にもそういう表現してるアニメはあるのかもしれないですけど、皆揃った動きにすれば楽だろう所、それぞれの性格が如実に表れた走り方なのには感動すら覚えます。

母子家庭で夜遅くにしか母親が帰ってこない眞己が料理をするシーンも良く出てきて、調理中の描写も出来上がった料理の質感も最高なんですが、中でもぶっ飛んだのが焼き鳥。室内用のミニ七輪で焼いてましたよね。白い長方形のやつ。あんなアイテム普通アニメで出しますか。器具にこだわりがある人くらいしか持ってないだろうからある意味リアリティ無いとも言えるけど、眞己がめちゃくちゃ料理上手いという設定の補強としても完璧に機能してるんじゃないかと思います。

桜井先生(CV.櫻井孝宏)が一人で何かを考えているところも良かったですね。電気ケトルとコーヒーといくつかのカップ、そして書類。生活感というか、職場感溢れる風景。

まだまだ魅力は尽きないんですが、というか全然良さを紹介出来ませんでしたが、一旦今回はここまでにしておきます。とりあえず作者の細かい部分への変なこだわりを感じると「アッッッッッッッ!!!」ってなるタイプのオタクは見て損は無いアニメだと思います、『星合の空』。アニメの世界は目まぐるしく変わっていて、自分なんかはもしかしたらそろそろターゲットではなくなりつつあるのかもしれないと思っていたここに来てこんな作品が登場してくれたことが本当に嬉しい。



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