【ワーホリ日記②/世界遺産の村で思ったこと】
白川郷へ行ってきました
こんにちは、こうきです。白川町に来て約2週間が経とうとしています。こちらの生活にもだいぶ慣れ、仕事もぼちぼち頑張っています。今日は、東京からやってきた大学院の教授と一緒に白川郷へ行ってきました。
「白川郷」と「白川町」、似ている名前で少し戸惑う方もいるかもしれません。世界遺産に登録されている「白川郷」と自分が滞在している「白川町」、実は車で2時間以上も離れた場所にあるんです。
白川郷ってどんなところ?
この風景、皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれません。山と田んぼに囲まれ、合掌造りの建物が並ぶこの景色は、日本の原風景を感じられる場所として国内外の多くの人々を惹きつけます。実は、自分も実際に見たのは今回が初めてでした。周囲の自然と建物一つ一つが調和していて、写真で見る以上に美しい集落でした。
特徴的な茅葺屋根は20〜30年に一度張り替えをし、その費用は屋根の大きさに合わせて約2000万から約4000万円もするのだとか!素敵な景観を守るには、大きな努力も必要なんですね、、、。
(白川郷について、詳しくは一般社団法人 白川郷観光協会をチェック。)
村の抱えるジレンマ
世界遺産にも登録され、多くの観光客が訪れる。2019年には、約200万人以上の人が白川郷を訪れたそうです。(白川村役場 白川村の観光統計 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/1260.htm)観光客がたくさん来れば、観光業が賑わうし地域も明るくなる。白川郷はなんて素敵な場所なんだ!自分はそんなふうに考えていました。
しかし、実際はそんな単純ではないようです。観光客が増えれば、それだけ家の周りの人通りも多くなります。気づかなかった人が、敷地内に勝手に入ってくる場合もあるそう。ピークシーズンには人混みで通りが埋まり、車の通過もままならないことも。この集落で生活する人たちが、観光客の増加によって暮らしにくくなってしまうのです。
その一方で、観光客向けの施設もあり、それを生業にしている人たちもいます。そして、より多くの人をこの集落に呼び込みたいと考えることだってあります。住民たちがそれぞれの立場を持ちつつ、集落を維持していく。その難しい課題を集落が持っていると知ることができました。
「売らない、貸さない、壊さない」の三原則
もう一つ、この集落の抱える課題があります。それは、少しずつ家の住民が減ってしまうこと。
人口減少はこの白川郷でも進んでいます。そればかりは仕方のないことかもしれません。住む方がいなくなった合掌造りの家に、引越してきた人が住む。そうすれば、集落の維持が行われるはずです。ただ、そうはいかないのが白川郷。それは、集落を守ってきたとある三原則に理由があります。
その三原則とは、「売らない、貸さない、壊さない」の三原則。集落の建物を他人に売ったり、貸したりしない。合掌造りの景観を損ねる改築はしない。これらのルールによって、美しい合掌造りの景色が守られてきました。
つまり、合掌造りに住む人がいなくなっても、その家を買ったり借りたりして住むことができません。かつては、合掌造りを脅かすような人が引っ越してくることを防ぐ効果がありました。しかし、現在では住みながら維持管理できる人が入りにくくなってしまっている理由の一つになっています。
「綺麗な景色だったな〜」で終わらないように
今回の白川郷訪問で知った、白川郷の抱えるジレンマ、課題。それは、この集落に住んでいる人だけでなく、ここに訪れる人も深く関わっています。
この素敵な集落をいつまでも残し、なおかつ住民の方が不幸にならないような、そんな取り組みや意識が広まればいいなと思いました。
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