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【本町人物名鑑】 薬・漢方の力を借りてお客さんとしっかり向き合いたい。 株式会社ワタナベ薬局 代表取締役 渡辺力さん

白河市本町商店街でワタナベ薬局を経営する、渡辺力さん。
街中から信頼され、インタビュー中にはトイレットペーパーを買いに来るお客さんもいました。薬局だけでなくクライミングジムも運営されているとか⁉
渡辺さんは「人に寄り添って健康になってもらうことで、その人に喜んでもらいたい」そう語ります。渡辺さんの幼少期の話から薬剤師としての使命まで幅広くお話を伺いました。

渡辺力(わたなべちから)
1975年福島県白河市生まれ。3児(高2男子、中3女子、小5男子)の父。日本大学薬学部を卒業後、製薬会社に勤務。30歳のときに薬局の3代目として白河に戻る。健康教室や健康アドバイスを実施し、地域に愛される薬局を目指す。
白河の好きなところ:程よくコンパクトな住みやすさ・ラーメン・お祭り

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小さい頃から見ていた薬局の世界


ここ、白河で生まれました。うちは祖父母の代から薬局をやっていたんですが、3人兄弟の長男だったのもあって、なんとなくずっと「継ぐんだろうな」という思いはありました。小学校低学年くらいのころは店に来るとお客さんにかわいがられて、気恥ずかしいけれど嬉しかったですね。特に祖父母の代なんかは、今で言うドラッグストアみたいなものはなかったのでお客さんもたくさんいて、華やかな世界に見えていました。

ワタナベ薬局

⇑ワタナベ薬局
出典:株式会社ワタナベホールディングス ホームページ


学生時代をどう過ごしたか


小学校のときは勉強は出来る方でしたが、人前で話すことが苦手でした。全校生徒の前で話すときにめちゃくちゃ緊張したのを覚えてます。そうそう、今もその校舎が変わっていなくて、僕の子供たちも通っていました。懐かしく感じますねえ。

中学もそのまま地元の中学に行きました。部活は野球をしていました。僕たちの一つ上の先輩までが第二次ベビーブームだったこともあり、クラスの人数も多いし、野球部の人数も多かったんですよね。そのためレギュラーに入れないことも多かったですが、夜遅くまで練習して星空を見ながら友達と帰ったことなんかは今でも思い出します。

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高校ですが、僕の時代は選択肢が2つしかなかったんです。今の白河旭高校が女子校、白河高校が男子校で、もう一つは実業高校だったので。大学に進学することを考えると、ほとんど選択の余地なく白河高校へ。部活は野球部からうってかわって、山岳部に入ってみました。なんとなくで入ったんですが、飯豊連峰に夏合宿で登ったのは思い出ですね。三日間くらいシャワーも浴びずに登り続けるんですが、山頂で見たご来光は忘れません。そのときつらい思いをして得た経験って大事だなって思いました。実際今こうやって語れるし、こんな話を当時の仲間とするとお酒が進むんですよ(笑)

大学は受験勉強、きつかったですね。薬学部があるところがそこまで多くないので、行けるところに行ければと思っていたんですが、一浪して東京の予備校に通いました。浪人時代はきつかったなあ。でも無事その年に千葉県の日本大学薬学部に合格しました。今まで男子校だったので女子がいることとか、大学は何でも自由なので私生活にその人の考えが色濃く反映されていることとか、すごく面白かったです。

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製薬会社に勤める


薬学部を出たあとの進路ですが、たぶん皆さんが思っているよりも選択肢あるんですよね。ドラッグストア・調剤薬局・製薬会社・研究機関・大学院などなど。僕は今後薬局を継ぐことを考えたときに、少し方面の違う製薬会社での営業の仕事って面白そうって思ったんです。そこで無事就職ができました。岡山営業所に配属になってはじめての関西、ドキドキでした。そこで今の嫁さんと出会いました。4年くらい勤めて、その後東京で2年ほど働き、30歳のタイミングで、ここに帰ってきました。

薬剤師としての使命を感じる


帰ってきてからは一般社員として勉強しました。
お医者さんの出す薬は西洋薬が多いのですが、ワタナベ薬局は漢方や滋養強壮剤等、東洋医学にも力を入れています。そこで漢方の勉強もはじめました。
僕のお師匠さんがいるんですが、あるとき、「お医者さんの薬飲んで治ると思ってんの?」と聞かれたんです。最初は「それはそうでしょ」と思いました。しかし西洋薬は数値を抑えてコントロールしたり悪いことにならないように抑えておいたりするのが役目です。一時的なものなら自然に治るかもしれませんが、普通そういった薬は飲み続けなければなりません。確かにそれは治しているといえないように思いました。
そこで漢方の魅力に気が付きました。その人の考え方、取り入れている食べ物、体質をいい方向に持っていけないかというのが漢方の考え方なんですね。少しでも自分にあった漢方の力で皆さんに健康でいてほしいなって思います。
薬剤師はお医者さんではないので病名をつけることは出来ません。一方で、薬剤師はその人の話を聞けます。舌、目の色味、顔色、匂い、指先、言葉の情報から処方を選びます。表面的なことだけでなくてその人の習慣とかも含めてその人にしっかりと向き合えるので、そこに薬剤師としての使命を感じました。

そういった使命から、震災のときには体育館を巡って「薬困ってないか?」と声をかけ続けたんです。そうやって今後も困っている人を助けていきたいですね。

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まちの保健室をめざす


これからは人に寄り添う薬局であるのはもちろんのこと、なにか新しい取り組みをしたいなと思っています。
親父は震災の前の年にワタナベ薬局の3階にクライミングジムをつくっちゃたんですね。ただの山登りへの興味から自分で改装してクライミングジムを作ってしまうのだから、びっくりです。もうすぐ延べ利用者が3000人になるんです、意外と来てるでしょ⁉そう考えると親父みたいにその時代時代で変化することって大切だなって思うし、僕も感度を高くして、なにか人のためになることをやっていきたいなって思うんです。

⇓インターン生 みさと クライミングに挑戦

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例えばカフェEMANONと連携して「出張!まちの保健室」みたいな企画をすることで、高校生との接点をつくったりしていきたいですね。保健室って学校の中で居場所になっている生徒さんも多いでしょう?そんな居場所になれる薬局を目指します!!

編集後記(インターン生 みさと)
私自身、薬局には病院で処方箋をもらったときしか行ったことがなくて、他に薬がほしいときは街のドラッグストアにいっていました。ただ、こんなにも親身になって話を聞いてくれる薬局があるなら、具体的にほしい薬が決まっていなくても、ちょっとした相談をここでしたいなって思います!「最近お腹の調子が…」とか「生理痛がひどくて…」とか「ニキビが…」とか。
ぜひ一度行ってみてくださいね!
(クライミングも筋肉痛すごかったけどめちゃくちゃ楽しかったですよ!)





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