Gomezと「Shot Shot」

ゴメスを初めて聴いたのはTVK(テレビ神奈川)のミュートマである。
Shot Shotは泥臭いロックでありながら、サンプリングが多用された変なサウンドだった。映像処理により蠢く黒い影となったメンバーがフリーキーなサウンドを鳴らしていて、メチャクチャかっこいいな、と感じたのを覚えている。
ゴメスはよほど偏屈な音楽雑誌でしか取り上げられなかったし、多分ほとんど来日もしていないと思う。(一度だけ、フジかサマソニに来てたような気もする。そしてそれに行かなかったおれは未だに後悔している)
アメリカで言うと誰なんだろうな。メロウ・ゴールドまでのベックとか、そのへんのインディー臭がする。というか、インディー臭しかしない。当然だが例えばレディオヘッドだとかコールドプレイだとかミューズだとかオアシスのように世界的なブレイクはしてないしこのサウンドじゃできない。ゴメスのメンバーもそれを目指しているわけではないだろう。
しかーし。このShot Shotをはじめ、Whippin' PiccadillyやBring It Onといった他の曲はメインストリームの楽曲には絶対に見られないサウンドとグルーヴがあるのだ。
ブルースやカントリーのようなトラディショナルサウンドと、90年代に勃興したブレイクビーツをはじめとする新しいグルーヴを絶妙なバランスで融合させたゴメスは例えばニルヴァーナやオアシス、レディオヘッドやコールドプレイよりも革新的な事件を起こしていたのかもしれない。

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