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ロレンツォの恋愛√について その②

前回「ロレンツォの恋愛√について その①」の続きです。

 恋愛シュミレーションゲーム「アンジェリークルミナライズ」(通称アンミナ)に登場する、地の守護聖ロレンツォ。ちなみに彼を古のアプリ「アキネーター」で検索したところかすりもしなかったのが悔しくて時間があるたびにアキネーターに新規キャラとして登録しようと試みています。アンミナキャラぜんぜん入ってないんで、皆さん自分の推しは自分で登録しよ!

 そのぐらいまだ新しいゲームで、爆発的に認知されているわけではないけど、ファンは熱いし創作は元気だし、公式からの供給も定期的にあるし、キャラデの紗与イチ先生はハロウィンやらキャラ誕生日やらで最高のイラストをアップしてくれたりするので、ハマるなら!!今!!!って感じのコンテンツであることは間違いないです。全人類アンミナやろ。

 さてその中の登場キャラロレンツォの恋愛ルートに狂った私が、ロレンツォ√の最高さを叫んで伝えるこのレポート。前回は恋愛1~恋愛4までを紐解きましたが。びっくりしませんでした?
  乙女ゲームの恋愛4段階まできて!なお!ロレンツォは1ミリもアンジュ(主人公)に関心をいだいておりません!!!(※個人の解釈です)
 先生ごっこして、腰抱いて社交ダンスして、魅力を最大限に引き出すためにあれこれ指導して、腕くんでエスコートして一緒に食事に行きました。それでも!ロレンツォは!まっっっっっっっっったくアンジュに関心を!抱いておりません!(2回目)(※個人の解釈です)
 恋愛段階は9まで!9は告白イベントなので、仲を深めるイベントは実質8個。そのうちの、4個で彼が主人公に対して恋愛的な感情は一切抱いていない恋愛√、このあと果たしてどう進むのか!?
 「いやいやゆうても可愛い女の子をこんなに世話してるんだから、ロレンツォ先生だってアンジュのこと、憎からず思ってんじゃない?」と思うじゃないですか。私もそう思っていました。アンジュの成長ぶりに、過ごした時間に、ロレンツォは少なからず執着や思いがあるんじゃないかって。でもないんですよ、本当に。では、どうして私がその主張に辿り着いたのか、恋愛5の紐解きからスタートしたいと思います!

恋愛5

 引き続き、ロレンツォ先生授業です。品格、華やかさ、に続き、最後の授業は「知性」について。前回の授業で、最後の方で僅かですが触れていました。知りたいという欲求が自分の根幹であるというロレンツォは、どんな知性を教えてくれるのか…!?
「知りたいと学び、理解したことを複合的に転用する。私はそれこそを「知性」だと思う。」
  新入社員研修で渡されるビジネス書入門みたいなこと言うじゃないですか。学ぶだけではなくて、活かすことこそが知性だと言うロレンツォから、アンジュは質問されます。
「君は、これまでの人生の中で 知性を高めてきたと思うかい?」
 ここ、初回は「ここ結構重要な選択肢なんじゃない!?」と気張りましたが、ちなみに、高めてきた・自信がない、どちらの選択肢とってもまったく大丈夫です。
「答えは君の中にしかない」
CV竹内良太で言われるとだいぶ甘く響きますが、下のセリフに続きます
「私は別に、「それが本当か?」など聞いたりしないよ」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 私、振り返ればここがロレンツォ沼の入り口でした。
 優しい振る舞い、甘い声、圧倒的な知識と経験。魅力の塊のようなロレンツォ。乙女ゲームにふさわしい男に見えますが、私はここで、強烈な違和感を感じました。ロレンツォ、アンジュがどっちだろうと興味ないんです。成果や人となりや感情には現在時点では関心はなく、あくまでアンジュの「知性」の理解への道筋だけを示しています。完全に研修でコメントする上長と新入社員の距離感だと思いませんか?私、この会話の流れを見た時、思ったんですよ。この人(ロレンツォ)、(アンジュ)のこと、全然好きじゃないじゃん。って。
 ピンときたのよ~理系カンカク~♪(出典:らしくいきましょ)
 女を30年と○年やってきて(オブラート)、ピンときちゃったんですよ。仕事の付き合いもあり、自分からお願いして二人きりの授業なんかもしちゃって、腕くんで食事も行った、5歳年上の男性が、この時点で私(アンジュ)に好意を持っていない……ってね!!!こんな勘、乙女ゲームで働かせる必要ある!!??
 この言葉の端々に溢れ出る「あ、こいつ私に関心ないじゃん」の感じ、「ロレンツォ√プレイ中にイライラきた」のコメント上げていいる女王候補多かったですが、その原因なんじゃないかと思うんです。
 ここからは私の一方的な恋愛観も挟むんですが、女性って相手の男が自分のこと好きか嫌いか、でけっこう好感度上下しませんか?どんなにイケメンでも、モテモテでも、現実世界で自分のこと好きじゃない男に恋愛対象として惚れるのって難しいと思います。逆に言うと自分のこと好きじゃない男に惚れられる人、結構恋愛で失敗しやすいタイプだと思うんですよね。ホストにハマってしまったり、アイドルガチ恋しちゃったり……いや、その楽しさもあるのですが、恋愛成就して結ばれることを目指した場合、自分のことを好きじゃない男、かなり点数が低いと思います。そういう意味で、ヴァージルが大人気なのはとてもとてもよくわかります。主人公に好感度振り切っている男、最高ですよね。
 長くなった!個人的に、初回プレイ時に明確にここでロレンツォのアンジュに対する態度に不信感を抱いたので、かなり長々とその違和感を突き詰めてしまいました。恋愛5、まだ続きます。
 知りたいと思う気持ちを積み重ね、知識の剣を手に入れなさいというロレンツォ。できる上司ですね。私達が彼になってほしいのは上司ではなく恋人ですが。アンジュの今後に期待をかけていただいて、先生役に授業は終わります。
「とても楽しかった。先生役に選んでくれて、ありがとう」
「ありがとうございました(とびきり笑顔)」
「それじゃあ、いつもの依頼をどうぞ」(恋愛が続けられなくなりました)
・・・・・・・・・・・・・・。
終わりました。
終わりました!!!!!!!!!!
おいおい~!授業やってもらって御礼いったら恋愛√失敗って、そんな乙女ゲーあります!?どんな恋愛ゲームでも、いつだって主人公の御礼と笑顔が数多の男どもを仕留めてきたじゃないですか!御礼ととびきりの笑顔、なんならちょっとサービスのつもりだったわーーーーい!!
 はい!
 つまり、この3つの授業で、ロレンツォはアンジュにまったく恋愛感情を抱いていないんです。一応(※個人の解釈です)を冒頭にはつけていましたが、事実でいいじゃないでしょうか?だって「ありがとうございました」で恋愛が終わるって、つまりそれ始まってなかったってことですよね? 

 現実世界でロレンツォルート、ぜったい無理ゲーです。でも大丈夫、アンミナはゲームなので何度でもやりおなせます。仕切り直しましょう。
(終わるのは寂しい)
 このあんまり自分のこと好きじゃない男に、終わるのは寂しいと思うアンジュ。もうそれ片思いじゃん!!!そう、このルート、アンジュからの片思いから始まるんです。
・気になって(恋愛1)
・追いかけて縋り付いて教えを請い(恋愛2)
授業を受けて相手を知り(恋愛3)
・この人の本心を見たことがないと気づき(恋愛4)
・もう特別な関係で会えなくなることが寂しいと思う(恋愛5)
これはすべてアンジュからのアクション、そして意思によって成立しています。ロレンツォのルートは、プレイヤーが彼に恋をすることが前提になっているんです。
 授業をなんの執着もなく終えようとするロレンツォと、なんとか会話の糸口を見つけようとするアンジュ。机の上の設計図を見つけます。アンドロイドの設計図について、ロレンツォは意気揚々とこれまで作ったものから現在の課題、今後の展望までめちゃめちゃ語ってくれます。その関心、ちょっとでもアンジュに向けてくんない?!ロレンツォさん、上流階級出身で他人に対するマナーとコミュニケーションをスキルして身につけているのであまり表には出ていないんですが、かなり理系オタクの気質があると思います。現代パロ書くなら、私は彼はCEOじゃなくて髪長めでもっさりしているけど異様にモテる変わり者の大学教授にします。はい、話が逸れました!
 さてまたここで選択肢。
大丈夫なんですか?/すごいですね/ちょっと怖いです
この3つのうち、恋愛ルートが継続できるのはたった一つです。とんだロシアンルーレットだぜ。どの選択もぜんぜん駄目じゃないでしょ!相槌の範囲内でしょ!ちなみに内訳はこうです。
・大丈夫なんですか?→……なにがだい?(新たな選択肢へ)
・すごいですね→そうだろう、楽しみで仕方ないよ。研究戻っていい?
・ちょっと怖いです→ずいぶんと保守的だね。研究戻っていい?
 どれだけ研究戻りたいんだよ。いや~ほんと、選択肢の隅々にまで「アンジュのこと好きじゃない」感にあふれていて、キャラクター、生きているな…って感じますね……こいつめ……。
 また話が逸れました。ということで、ロレンツォのアンドロイドへの興味をフックにして、そこ目掛けて釣り竿を振る!って感じです。ちなみにこのあと「人間がいなくなるのが心配」というと「そんなことになったら私だって世界を見届けられない」というロレンツォ、倫理観が自分の興味が最優先で最高にロレンツォ~って感じがして好きです。あ、このチョイスも恋愛は失敗して研究の続きに戻ります。いい加減にしろ。
 「大丈夫なんですか」、からのアンジュのセリフです。この恋愛5でこれだけは絶対に選ばないと、恋愛成功になりません。

「アンドロイドが恋をしてしまったら どうなるんですか?」

 ここで、BGMが、消えます。
 そして一拍置いて流れる、「いい雰囲気の時にかかるBGM」!!!
 ようやく。ようやく!!!ここでロレンツォの心が、動くんです!!!
「…どうだろうね。やはり同じように悩むのか…私のように割り切るのか」
「どうでもいいことすぎて 考えもしなかった」
 そう。ロレンツォにとって、恋は”割り切れてしまうもの””どうでもいいこと”なんですね。とんだ男を恋愛ゲームの対象キャラにしたな…ルビパさんよぉ…。ここの竹内さんの演技も、素晴らしいです。絶対ボイス付きで聞いてください。文字で書くと淡白なセリフですが、冒頭「どうだろうね」の戸惑いや混乱、「考えもしなかった」に含まれる微笑と自嘲。この絶妙な彼の感情の起伏、声を聞かないと絶対わからないので…。
 「わからない余地を私が残していたなんて」と自分に驚くロレンツォが、アンジュを「ロマンチスト、悪くない」と評します。ここ、で、初めて、ロレンツォがアンジュに対して感情をいただきます。それは物珍しい女王候補としてではなく、落ち着きの足りない生徒としてではなく、アンジュの考えるその”思考”に対して、ロレンツォが「悪くない」という感想を抱くのです。対等な人間として、初めてロレンツォがアンジュと同じ目線で彼女を見つめます。「ひとつ、訊きたくなった」というロレンツォが、アンジュへ恋愛経験の有無を尋ねます。急に知りたくなったんだと笑うロレンツォ、アンジュへの興味の芽生えです。このあとの回答はどれを選んでも大丈夫、個人的には「ノーコメントです」のロレンツォの応えが一番好きです。
 アンジュから恋愛経験を聞き出せなかったロレンツォ、調べればわかるけど、そういう方法で知りたくないと語ります。それって、彼女の恋愛経験自体に興味があるわけではなく、アンジュ一個人への興味が芽生えたからこそ、対話やふれあいによって聞き出したい、そう思っているのかなと捉えました。そのあと、アンジュのコメントをそのまま返すロレンツォ様、コミュニケーションスキル爆裂高くて、ちょっとこうやってからかわれただけで「…………すぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっき!!!!!!」ってなっちゃうので、ロレンツォの女(ロレンツォ推しの女王候補の呼称)はとってもチョロいです。
 ああああ長々書きすぎました。いやでも恋愛5、本当に要素が多すぎるんですよ。クソ塩対応からの、爆裂難しい選択肢、そしてこの最後のスマートな切り返し。感情のジェットコースター。
 そして、ロレンツォの視線が初めてアンジュに向かう、大事なイベントです。「アンドロイドは恋をするのか?」この疑問は、「ロレンツォは恋をするのか?」にそのまま言い換えることができます。知識欲が一番大事で、恋をどうでもいいものと思っているロレンツォ、ようやく傍らのアンジュを”興味”の対象としてはとらましたが、あくまで視線を向けたそれだけです。彼がどう恋をするのか、アンジュはどう彼をとらえるのか。始まりの予感だけを残して、恋愛5は終了します。

恋愛6

 公園で見かけるロレンツォを追いかけるところからスタート。もはや選択肢も出ないです。アンジュがロレンツォを追いかけるのは確定なので……。
 再び、ロレンツォと女性が話しているのを物陰で聞き耳を立てます。アンジュがロレンツォのつきっきりの指導によって変わったと、飛空都市で噂になっているとのこと。しかしまさか飛空都市の人々も、指導の時点ではロレンツォがアンジュにミリ単位も興味がなかったとは思っていないんじゃないかな~?女性は「…私もあやかりたい」とロレンツォに迫ります。いやいやいや、あやかられるほどロレンツォと関係進んでないわい!!
 一夜だけでもとの女性の誘いに、ロレンツォはピシャリと断ります。
「自分のステータスだけに食いついてくる女性を、魅力的に思うはずないだろう」
「私は、私を退屈させないものにしか興味を持てない」
 相手に無駄な期待を持たせない、スマートな断りだと思います。このあとのアンジュ評にも出ますが「オウル時代もモテた」ロレンツォ、一番後腐れがない断り方をしているんだろうな~という感じ。「あの女性にも失礼だからあまり聞かせたくなかった」というところからも、意図的に女性に可能性の余地を残させなかったことがわかります。
 あとここで、ロレンツォの女性への好みも見えます。”ステータスに食いついてこない女性””ロレンツォを退屈させない女性”が好みとわかりますね。私はモテる男をモブ女と絡ませるのが性癖で、2作ほどロレモブを書いているのですが、恋人ではない遊びの相手は「ステータス(財産)に興味がある女」にして、別れることになる恋人は「本人が財閥令嬢なのでステータスには特段興味がないけど、ロレンツォを退屈させてしまった女」にしました。どちらの女性も、この発言から引っ張ってきています。
 話が逸れました!!
「一番悪いのは、こんな場所であんな話をさせてしまった私だ。不愉快な思いをさせて悪かったね。」
というアンジュに対する謝り、優しさや気遣いももちろんですけど、あまりに場馴れしすぎ。女性が誘ってくることもわかってて、それをロレンツォのコントロールによってこんな場所じゃないところ上手く収めさせることができたと言っているのと同義ですからね。
 「私の過去が気になるのかい?」にはもちろんイエスです。ここでイエスを取れる女じゃないとロレンツォは…(以下同文)
 ここで語られるロレンツォの過去の恋愛。恋人はすぐできたけど、長続きしなかったと言います。飽きることも、相手がロレンツォに耐えられなくなったこともあったと。相手が嫌だと思っても、それが別れにつながってしまったとしても、知りたい気持ちを止められない。「客観的に見て人でなし」と、ロレンツォは自分をそう評します。
 もういい加減文字数多すぎなんですが、この「客観的に見て人でなし」についても多少語らせていただいていいですか…?
 まず第一のポイントは「客観的に見て」です。つまりロレンツォ自身が「主観的に見る」場合、それは普通のことで、別に人でなしでな行為ではないんですよね。つまり彼に悪気はないんです。ただただ自分の知りたい欲求に素直に従っているだけ。その結果、嫌われたり別れちゃったりしています。ここに、ロレンツォの人生の孤独が見えます。ただ知りたいだけなのに、その結果嫌われちゃう。ただ、ロレンツォは圧倒的に知識によって幸せになれるので、”知ること”の方が他人に好かれたり愛されるよりも大事。だから嫌われることはしょうがないことだと思っているんですね。そりゃ~恋を割り切ったりどうでもいいと位置づけたりするわ~。そして「人でなし」についてです。調べ上げるその行為自体が、人でなしなのか?どんなクソいことしたんだ?と思いましたが、たぶん調べ上げることは純粋な興味によってやっているので、それが悪だということではないと私は想像しています。問題は、嫌だと思われても、結果誰かと別れることになっても、自分の興味を優先させてしまう、そういうところが「人でなし」なのだと言う主張に繋がるのかな……と捉えております。そしてそういう過去を「後悔したことはない」ことが、「人でなし」なのだと定義しているようです。
 このあと、選択肢がでます。
・「ひどい人なんですね」
・(でも、それこそが・・・)
 どちらを選ぶか、おわかりですね。「ひどい人」と言っても、ロレンツォはもちろん怒ったりしませんし、悲しんだりもしません。「しょうがない」と思っています。だって、他人を傷つけたいと思っているわけではないけど、だからと言って自分の衝動を止める気はない。だから彼に憤るような人と、無理に一緒にいたいと思っていないんです。
 ええ、とんだワガママ男です。ですが、この時点でロレンツォに腹をたてるのは、少し違うと思っています。だって、彼は別にアンジュに恋をしていません。現時点でロレンツォと距離をつめたくて追いかけまわしているのはアンジュその人なんです。ロレンツォは自分は人でなしだから、あくまでアンジュは距離を置きたいと思っている。だから先生役も他の人を勧めたし、基本的な授業が終わったらあくまで候補と守護聖に戻るつもりだった。なので、ここで彼に腹をたてるのは、気持ちは非常にわかりますが、それでは、ロレンツォの心には踏み込めないし、彼の寂しさに触れることはできないんです。
 話をルートに戻します。

(でも、それこそが・・・)

 ここで、またBGMが消えますドクン、ドクンと心臓の音が響きます。

(確かに、ひどい話だ。でも・・・それこそがロレンツォの本質って気もする)
(知りたくてたまらなくて・・・その結果、世界を変えることをやっていのけるような)

 これすべて、アンジュの独白です。え!?突然でびっくりしません!?
 モブ女を手ひどく振って、恋人はたくさんいたと語り、人手なしなんだよ、と自分を語られて、アンジュは、「それこそがロレンツォの本質なんだ」とアンジュ思いました。これ、恋愛4のラストで「ロレンツォの本心を見たことがない」と続いていると思っていて、アンジュはロレンツォに食らいつくことでようやく見たかった本心を覗き込むんです。その辿り着いた「ロレンツォの本心」に触れた瞬間、周りの音が消え、心が高鳴るんです。ええ、これは間違いなく、この瞬間にアンジュはロレンツォに恋をしているんです。

 このレポートの冒頭で、私はロレンツォのルートが”乙女ゲームとしては男女逆”選択肢としてギャルゲーの方が感覚値として近い”と書きました。一般的に恋愛ルートがあるゲームで、女性が主人公の場合、好感度を寄せてくるのは男性が多いでしょう。主人公の行動や振る舞いによって恋をしてもらったり、もしくは攻略対象男性の寂しさや孤独を解いてあげることによって恋におちてもらう。そもそもアンジェリークは恋愛シュミレーションゲーム、それぞれの恋愛イベントが起こる前にせっせと執務室に通い、デートを重ね、親密度を上げる作業をした上で起こるイベントですから、親密度の結果として相手の好感度を受け止めるのが”恋愛イベント”のはずなんですよ。そういう視点で見ると、ロレンツォ√は異常といっても過言じゃない。相手の振る舞いや過去を知って、現在恋に落ちたのは攻略対象のロレンツォではなく、プレイヤーであるアンジュなんです。相手からの好感度や歩み寄りが0の状態で、相手のそのままを愛する。恋に興味のない子を、優しく包んで愛を教えるというルート、漫画や映画の物語の中でも、男性が女性対象に行われることが多いのではないでしょうか?
 相変わらず感想がクソなげえですね。巻いていきます。
 恋に落ちたアンジュ先輩、いきなりぶっこみます。
「・・・私は、ロレンツォに全部知られてもかまわないです」
 ・・・何を言い出すんだ、この女は
 ロレンツォも、面くらいます。あ、この辺の竹内良太さんの演技も素晴らしいので、本当に絶対絶対ボイス付きで聞いて下さい!!!クソ戸惑ってます。テキストにするとこうです。
「っ・・・!?・・・・・うん??????」
 衝動が吐息なっていて、驚きが伝わりますね。そりゃそうだ、人でなしで調べ過ぎちゃうんだよ、と距離をとろうとした瞬間に、いきなりノーガード戦法で女王候補が突っ込んできたんですから。
 「別に恋人同士でもないのに」と真っ当な理屈で距離をとるロレンツォ氏。アンジュも(そうだった)と我に返ります。しかし”退屈させない女性”がタイプのロレンツォ。ここで親密度の増減はとくにないのですが、明らかに声のタッチが変わります。「君の身体の全てが知りたいと言ったら?」と笑います。色っぽい話を突然振ってきていますが、たぶんロレンツォさん、本当はこのコメントこれで「それは駄目」とか「そこまでじゃ」みたいなアンジュからの拒否の反応を引き出したかったんじゃないでしょうか?しかし我々のアンジュ先輩、そんなことじゃ引きません。
「それは後回しで」

 つまり、もうちょっと関係深めた後ならいいよ、って言っているんですね。ロレンツォに全てを知られてもかまわないという女、身体の全てもさらけ出す覚悟です。もう腹が据わってんじゃん。最後まで走り抜ける覚悟、満々じゃん!!!
 二言なさすぎアンジュ先輩に、ロレンツォも楽しそうです。「後回しね。」と反復して笑うロレンツォ、ここの声の演技も…!!(以下略)アンジュの突然の覚悟を受けて、ロレンツォは距離を詰めます。つまりですよ、あなたのこと全て受け止められるけど?と強気に煽ってきたアンジュの言葉に、ロレンツォが乗っている状態です。
「私に近づいても、いいことはないよ」
 あくまで、ロレンツォは自分が人でなしであることは否定しません。自分の根幹である知りたい欲求は、止められないから。
「でも君が近づきたいなら、私は拒まない」
 でも、全部知られても構わないと言うアンジュならば、「もう拒まないよ」と言っているわけですね。ええ、今までの恋愛イベントでは拒みまくってましたもんね?
「どうする?」
 ここで、「近づかない」を選ぶのもぜひ。ロレンツォの心のシャッターが秒速で閉まります。反復横跳びか?というスピードでがっつり距離を取り直すロレンツォ先生面白いので。
(ロレンツォに・・・・・・)
 再びBGMが消え、アンジュの心臓の音が響きます。
「近づきます。・・・あなたに、近づきたいです」
 アンジュの決意です。恋をして、ロレンツォに覚悟をもって、彼の心に近づくことを決めるのです。「その言葉を忘れない」というロレンツォからの、ここからの二人の掛け合い、私の解釈で汚すのは惜しいくらいにハイコンテクストでロレアンの素晴らしさがゴリッゴリに含まれているので、ぜひ実際に御覧ください。
  いかがでしたでしょうか。アンジュの恋の自覚、そしてロレンツォに近づく覚悟が決まるイベント。でもこのイベントの最後は、(ロレンツォの心の中に入ってみたい。でも・・・そんな日は来るんだろうか・・・)というアンジュの不安をもって終わります。アンジュ先輩、果たしてどうやってこのロレンツォという難攻不落の要塞を攻略するのか。そしてアンドロイドは、ロレンツォは、恋をするのだろうか?


 今回のレポート、書き始めたときにはこれを後編にして最後まで行くつもりだったんですけどね?改めて見直すと、恋愛5と恋愛6、本当に素晴らしすぎて、クソ長くなりました。ロレンツォが、どうして今のロレンツォに到ったのかを分析するのにこれ以上の題材はないでしょう。私も今回あれこれ推測しながら分析し直して、改めてロレンツォの魅力に、そしてなによりアンジュ先輩のガッツに惚れ直した気がします。一つ大きな主張として私が言いたいのは、ロレンツォの魅力や可愛さ、臆病さというのは、このルートのアンジュの行動を持ってしてしかたどり着けないし、見ることができない、ということです。普段の公式で糖度が低めだったり、距離を感じたり、ずる~い感じになっているのは、ロレンツォが恋愛6時点ですらも、恋に、つまりアンジュに踏み込んでいないことが要因かなと思いました。
 さて、恋愛6で開かれたのは、「近づいても逃げないよ」というロレンツォの言葉。二人の関係は、ようやく幕が上がったところです。え!?もう恋愛6なのに!?頑張れアンジュ先輩!負けるなアンジュ先輩!あと恋愛イベントは実質二つよ!あなたのガッツでロレンツォを屈服させて!!!次回最終回(予定)!!「ロレンツォルート③恋愛7~9レポート」で、サービスサービス♪

 ということで今回も長々お付き合いいただきありがとうございました!!今回も個人的解釈大爆発です。これはあくまで私のロレンツォとアンジュの解釈です。女王候補の数だけ、ロレンツォは、アンジュは、いると思います。いろんな人のロレアンがみたい、そんな気持ちで下記のツイッター企画をやっています。

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 ツイッターでは他の方々の「ロレンツォ」「ロレアン」についてのつぶやきまとめてますので、ぜひ御覧ください。そしてあなたのロレンツォについてもぜひ「#anmn地プレゼン」を付けてぜひ聞かせていただけたら嬉しいです…。

 最近、ゲームから離れて二次創作の比率が上がっていましたが、あれこれ二次創作をやってからもう一度向き合うゲーム本編恋愛ルート、あまりに楽しいです。ぜひ推しキャラプレゼン、ロレンツォだけじゃなくて他の守護聖様も見てみたいのでみんな書いたら教えてくれ~~~~!!!

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