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名古屋コーチンに似たニワトリ

今回は農園の鶏種についてのお話です。

2019年の春。飯南町に移住したばかりの僕たちは、以前から考えていたニワトリを飼うことをやってみることにしました。

以前お話ししたように、ヒヨコを買わないという選択をした僕たちは、孵卵器で有精卵を孵すことにしました。


有精卵を購入するにあたり、鶏種を何にするか?
ニワトリに関する本を読み漁った結果、辿り着いたのは「名古屋コーチン」でした。

『ニワトリと暮らす』という本の中にあった、”就巣性がある”という一文。これが決め手となりました。現在の品種改良の進んだ鶏には、就巣性という、卵を温めてヒヨコを孵し、子孫を育てる本能が失われています。就巣すると、その期間(約一ヶ月)卵を産まなくなるため、経済性が悪いという理由で、人為的に取り除かれてきたのです。

それは、僕たちが求める暮らし方とは違う考えに思えました。鶏には鶏らしく生きて欲しい。鶏が自ら卵を温めてヒヨコを育てる、そんなニワトリ達と一緒に暮らしたいと思いました。

名古屋コーチンを飼いたいと思って調べたところ、一つの壁にあたりました。それは名古屋コーチンはそのブランド故に、許可なく自家繁殖させてはいけないということ。例えばペットショップなどで名古屋コーチンのヒヨコを購入する際には、「自家繁殖しない」という誓約書を書くことを求められるそうです。

名古屋コーチンを飼って農園で増やしていくことはできないのかと諦めかけていたところ、ネットで”軍鶏の雄”と”名古屋コーチンの雌”による有精卵が販売されていることを見つけました。名古屋コーチンとは全然違うニワトリが生まれてくるかもしれないけど、この卵を孵してみようと10個購入し孵卵器で温めました。

10個の内4個が無事孵り、ニワトリとの暮らしが始まりました。

後にわかったことですが、大きくなった姿はとっても名古屋コーチンでした。卵も名古屋コーチンの特徴である桜色に白い斑点の卵。ただこの時生まれた4羽はみんなメスでした(このままじゃ繁殖できない~)。次の年も同じように、卵を購入し孵したところ、今度はオスが4羽生まれました。そしてまた次の年、ようやくそのメスとオスから産まれた卵を、母鶏に温めてもらって自家繁殖でヒヨコを孵すことができました。

2022年現在、最初に生まれた4羽のメスの内、3羽は亡くなりました。1羽は今も元気で、今年もたくさんのヒヨコのお母さんになりました。農園ではその子孫達、約80羽のヒヨコを育てています。


話が長くなりました。結論を言うと白井自然農園の鶏は、
「軍鶏と名古屋コーチンの交配種を自家繁殖した鶏」です。

軍鶏(シャモ)というと何だか狂暴そうな怖いイメージがあるかもしれませんが、うちの鶏はとっても穏やかでのんびりした鶏達です。

もし勝手に名付けていいのなら「白井コーチン」とでもしようかと思います。



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