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数字は人格

著者:小山 昇さん

清掃業務を中心に展開するダスキンのフランチャイズ事業を行う株式会社武蔵野の代表取締役社長。山梨県出身で東京経済大学経営学部を卒業。社長業と合わせて中小企業のコンサルタント業務も行う。700社以上の会員企業を指導しており、全国各地で年間240回以上の講演やセミナーを開催。経営やビジネスに関する著書も多数。

本書はプロローグで「海外出張中の営業部長が倒れた。難病で現地で治療は出来ず、すぐに飛行機をチャーターして日本に運ぶしかない。費用は、総額1,500万円!あなたが社長ならどうする?」という問いから始まる。第一章でキャッシュの大切さ、第二章で銀行から融資を借りる上で重要なこと、第三章でB/Sの見るべき点、第四章で様々な企業の実例を挙げ、経営に関する指南、最後の章で数字を用いながら社員教育について展開される。キャッシュの重要性や数字の有用性、B/Sの味噌となる部分と多くのことが学べる一冊。数字が全てであることを身をもって感じることが出来るので、経営者や管理職の方には是非、一読して頂きたい。

ここからは私の感想。

題名が「数字は人格」とだけあって「数字」に重きを置いた本であるが、非常に説得力があった。著者はセミナー講師であると共に、経営者であるので厳しいことを言っているようであるが、数字が人格にもなり得るし、数字が揺るがない事実、現実である。合理的かつ論理的な話の展開であったため、勉強になることが多かったと同時に、自身にも当てはまる見直すべき事項も多かった。本書に「仕事が風景になっている」という表現が出てくるが、引き継いだ仕事や、既存の取引先との仕事は往々にして風景になっている。仕事が流れ作業と言うべき作業に成り下がっており、よく言えばマニュアル化であるが、経費や単価を見直すべき必要があることも少なくない。他にも、本の中で管理の方法について言及があるが、管理された業務の方が効率がいいのは間違いないし、多くの人は自己でさえ管理が出来ないのだから、周囲からの多少の縛りが必要であるとは思う。しかしながら、人や機械に管理されるのは、絶対に御免だと思ってしまうのが難しい所である。管理の方法には飴と鞭、マニュアル化、人に合わせたマネジメントなど多くの要素が必要となってくると思う。まずはそれぞれが自己管理。日々の努力を続けよう。


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