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豊 田 章 男 - TOYODA AKIO -

著者:片山 修さん

経済や経営など幅広いテーマを手掛けるジャーナリスト。経営評論家でもある。愛知県名古屋市生まれ。地方新聞記者を経て、フリージャーナリストとなる。学習院女子大学客員教授を務めた経験も持つ。

言わずと知れたトヨタの社長「豊田章男」。本書は、筆者が長年取材を続け、同氏の実像に迫ったノンフィクション作品である。豊田社長の幼少期から学生時代、サラリーマン時代のエピソードや逸話が描かれている。そこには、御曹司として生まれた葛藤や苦悩、社長になるまでの努力やなってからの努力、豊田社長の人となりが分かる内容となっている。メディアに出る顔とその裏の顔、日本を牽引する大企業のトップの姿を覗くことにより、心意気やこれからの展望など学べることは多い。特に、ビジネスマンは話のネタに読んでおきたい。

ここからは、私の感想。

天下のトヨタ。「かんばん方式」やその影響力から勝手に下請けを買い叩いているというイメージを持っていたが、本書を読んでイメージが変わった。常々思うのは、どちらかが無理をする商売は長くは続かない。商売に限らず、無理は続かない。社長に対しては、明るい陽気なイメージがあったが、それはそのまま。付け加えるなら、人情味溢れる苦労人。努力も怠らないし、日本のトップ企業を支える器量をお持ちなのだろう。「三代目は身上を潰す」とよく言われたものだが、このクラスになると違う。確かに、優秀な経営者は下を育てるのが上手いから、三代目になろうと五代目になろうと大丈夫なのだと思う。加えて、優秀な人であれば、いくら自分の子供が可愛いくとも、社長のバトンを渡すべき人間を間違えたりはしないだろう。しっかりとしたトヨタの成長基盤が出来たのは、豊田社長が「いいクルマを作る」ことと「現場に一番近い社長」というビジョンを明確に示し、それに根付いた企業文化が出来た為だろう。私利に走らず、日本を背負って、日本をよりよくするという大きなビジョンに向かって突き進む姿は素晴らしい。私も日々の努力を続けよう。



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