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交渉力

著者:橋下 徹さん

言わずと知れた元大阪市長、元大阪府知事。早稲田大学政治経済学部卒業。橋下綜合法律事務所を設立後、「行列のできる法律相談所」や「たかじんのそこまで言って委員会」にレギュラー出演を務める。全国に知名度を広めた後、大阪府知事選挙へ立候補し当選。大阪市長選にも出馬、当選し大阪都構想を主導。住民投票までありつくも投票により否決。その年に市長の任期を満了し、政界から引退。

本書は、著者の弁護士時代、府知事や市長の時の様々な経験を基に交渉の術や交渉の極意について書かれている。交渉には手段として3つの手段があり、それぞれについて場面や例を用いながら説明していく。元政治家ということから、各国の大統領や総書記、外交官の交渉方法にも言及があり、実際に起きたニュースの深堀りをしながら説明したりとイメージが湧きやすい。橋下氏が考える交渉についての集大成。客先と交渉の多い営業マンは勿論、家庭内で交渉の必要がある人にも是非、手に取って頂きたい。実際に最前線で戦ってきた人の言葉や考え方なので説得力もあり、読みやすくて分かりやすい。

ここからは私の感想。(本を読んだ後に読むことをおススメします。)

交渉とは、要は話をまとめること。その通りである。お互いの要求のぶつかり合いなので、上手く落としどころをつけるしかない。その為の準備や譲れないラインを明確化する必要がある。特にその為の準備は非常に必要で、交渉を行いながら、交渉相手から予想だにしていないアドリブを振られることもある。準備をしていないと言えばそこまでなのだが、お互い目標を達成する為にあの手この手を使い、表現を変え、落としどころを探る。準備をしていないと交渉が不利になるし、相手の欲しいものを分かっていないと交渉に勝てない。本書に「交渉人の立場・状況によって絶対に譲れないラインは変わるものだ」とあるが、それが分からないと交渉出来ない。また、要素分解と言う表現も出てきたが、これも非常に大事である。経営と同様、交渉もマクロとミクロの視点を持ちながら、進めていくことが非常に大切だと思う。何度も例に出てきたトランプ氏は元々経営者であるから、本当に交渉が上手いと感じる。自分の立ち位置、相手の立ち位置、全体を俯瞰しながら交渉出来るように心掛けたい。このような本を通して、交渉の本質的な定義や意味を学ぶことは出来ても、実際に交渉が上手くなるには実践の他ない。日々の努力を続けよう。

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