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アラブの大富豪

著者:前田 高行さん

京都府生まれ。京都大学法学部卒。宇部興産を経て、アラビア石油に入社。サウジアラビア・カフジにて勤務。JETRO(日本貿易振興機構)のサウジアラビア・リヤド事務所長を歴任。

本書は、中東に駐在経験のある著者によってオイル・マネーにより大富豪が生まれた背景や中東の歴史・文化が紹介されたものである。第一章で、サウジアラビアの歴史から始まり、「クエート」「カタール」など中東の国々の立ち位置や歴史、王家の繋がりの解説と続く。アラブ人の個人名である「ビン・ラディン」や「アブドラアジズ」の説明などもあり、中東初心者でも学べる内容となっている。アラブの大富豪の成り立ちや中東に知見の無い人は一度読んでみては。

ここからは私の感想。

中東に関する知識が全然なかったので、色々と知ることが出来て勉強になった。無知の知であった。世界の中で支配王家の名前が国名の一部となっている国は、「ヨルダン」と「サウジアラビア」だけらしい。世界でオイル・ショックが起こったとき、石油産出国はオイル・ブームと呼ばれていたらしい。サウド家の王位を継承する王子は生まれると同時に相当な金額の手当てが毎月支払われるらしい。これは有名な話である。イスラム教の聖書である「コーラン」は金利を付けることを禁じている、というのは知らなかった。勤勉によって富を稼ぐことを良しとし、利息という不労所得だけに頼るような生活態度を戒めているのが理由らしいが、石油で生計を立てているのは、なんとも皮肉なことである。国が違えば、制度も変わる。増税について議論を交わす日本人にとって、税金を納める必要がない国があるというのは想像しがたい。生まれた瞬間から死ぬまで働く必要がなければ、人生は全く違うものになる。環境が人を作るし、自分の知らない世界はたくさんある。日々学び、多面的に物事を捉える必要がある。日々の努力を続けよう。

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