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人を動かす

著者:Dale Carnegie(デール・カーネギー氏)

アメリカ合衆国のミズーリ州の農家に生まれ、州立の学芸大学で学んだ。大学卒業後は雑誌記者や俳優、トラックのセールスマンなど様々な職業を経験。弁論術や成人教育の講師や多数のベストセラー作家としても活躍。

本書は、筆者の研究や経験を基に人間関係の原則を著したものである。様々な職業を経験した筆者であるが、成人教育の講師の時に心理学や哲学書、偉人の伝記を研究し、生徒に教えながら15年の歳月を使って本書を上梓。世界で1,500万部、日本で500万部以上売れている大ベストセラー。まず、人を動かす三原則について語り、人に好かれる六原則、人を説得する十二原則、人を変える六原則と続く。どの原則にもリンカーンやルーズベルトなどの有名人のエピソード、逸話や名言が散りばめられており、最後に原則を提唱する形。全部で計三十原則にも及ぶが、同氏が伝えたい内容が所狭しと詰め込まれており、エピソードも盛り沢山。内容に斬新なものだったり、目新しいものはないが、長く使われるものには訳がある。内容を実践して習得出来れば、人生が大きく好転することは間違いない。

ここからは私の感想。

本の要約で言うと、人を動かすには利他主義であれ。の一言に尽きると思う。この利他主義がテーマになっているということが、日本でヒットしている理由の一つではなかろうか。他人を思いやることだったり、他人に敬意を示すことだったりを推奨していて、日本人に共鳴する部分があったのではないか。多くの名言が出てくるのも印象的であった。一番刺さったのは哲学者の「言葉で話せないのは己の限界」との趣旨の言葉。アウトプットが出来なければ伝わらないし、存在しないものになるから、アウトプットが出来て初めて自分のものであると再認識させられた。本の内容的には、実際に出来れば周りから好かれる為、人を動かすと言うよりは、周りの人がその人の為に動くようになると感じた。「性格が悪い人」と聞かれて、一番上の検索結果に来るのは、間違いなく「自己中心的な人物」である。その対極をなす「利他主義」であれば、人からも好かれ、動いてもらえるようになる。何の驚きもなく、当たり前のことである。あとは実践。ここが難しい。日々の努力を続けよう。

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