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お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ~知的人生設計のすすめ~

著者:橘 玲さん

小説家。社会評論家。橘 玲という名前はペンネームであり、本名は非公開。1959年生まれ、早稲田大学出身で元・宝島者の編集者。日本経済新聞に小説を連載していた時期もあり、小説家としてのデビュー作は経済小説の「マネーロンダリング」。自分の知らない誰かが自分のことを知っているのが気味悪いとの理由からほとんど表舞台には出てきておらず、ネット・活字メディアを中心に活動。

本書を一言で表すなら「日本版金持ち父さんと貧乏父さん」。構成としては三部構成となっており、プロローグにて、筆者の経歴や社会の歪みを感じる出来事に触れ、本題へと入っていく。第一部で主に資産形成や運用について述べており、生命保険や不動産、家の購入に対して、データを用いて経済合理性を説明している。第二部は、税金についての知識。税金を「法人」と「個人」に分け、サラリーマンの実質税負担や個人事業主の場合の税負担について述べており、節税や年金、社会保障についても記載がある。第三部は一部、二部を踏まえた上のまとめが短くまとめられている。節税や年金、社会保障に関する知識に乏しい人におススメ。サラリーマンは税金や年金の仕組みを知る為にも一読を薦める。

ここからは、私の感想。(本を読んでから見てください。)

著者は元々サラリーマンで、その後にフリーランスとして活動しているのでサラリーマンにも響きやすい。資産や税金、職業分類についての基本的な話が多い為、上記で述べた通り、ロバートキヨサキ氏(「金持ち父さん貧乏父さんの」著者)の意見に通ずるものがある。それを、端的に表すものとして、第一部の最初に、お金持ちになる為のルールに関して、資産形成 =(収入 - 支出)+(資産 × 運用利回り)とある。これは非常に単純明快ではあるが本質を突いており、お金持ちの思考の根本である。「家は資産であるか?」の問いにも、この章の内容を基に説明がつく。第二部では節税のテクニック的な側面が多かったので、サラリーマンの私にとっては耳が痛いものであった。第三部の纏めは、「好きなことで生きていく」と締まっているが、経済合理性を求めるなら、サラリーマンという経済非合理的職業ではなく、資産を守りながら自分の仕事を持つということに他ならない。これには同様の意見を私も持っていて、途中に「サラリーマン法人」という記載が出てきたが、今後は会社に属さず、フリーランスという形で業務委託する形へ変わってくると推測する。現に大手企業である「タニタ」が始めているとの記事もある。今の社会保障システムでは、国が国民の面倒を見ることが出来なくなる将来、「構造的な歪みはいつか必ず顕在化する」と本書にあるように、リストラ、副業の流れに備えて準備することが急務だと痛感した。日々の努力を続けよう。



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