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Think Clearly

著者:Rolf Dobelli(ロルフ・ドベリー氏)

実業家。作家。パイロット。スイス生まれでザンクトガレン大学を卒業後、スイス航空会社の子会社数社にて最高財務責任者・最高経営責任者を経験。後にビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「get Abstract」を設立。

本書は心理学や哲学、投資家の思想や筆者の経験に基づいた幸せな人生を送る為の52の思考法が紹介されている。どの思考法も実験の研究結果や例え話、質問等からスタートし、最終的に筆者の主張である結論をまとめた形になっており読みやすい。本としてのボリューム感はあるものの、心理学や哲学、聖書の内容を用いながら主張が展開される為、内容がスッと胸に落ちるものが多く、気が付くとかなり読み進んでいる。読者に質問を投げかける部分では、普段では想像もしない内容を考えさせられたりと、今まで自身が持っていた見識を覆す思考法であったりと飽きることがない。外出が出来ないこの時期、考え方をクリアにするのにかなりおススメ。いい本だと思う。

ここからは私の感想。(本を読んでから、見てください。)

所有物でもなく、地位でもなく、結局は考え方。多くを持っていても満たされない人は満たされないし、心が平穏な人は何も持っていなくても満たされている。足るを知ること。卑屈になるわけでもなく、天狗になるわけでもなく謙虚に生きる。この本を読んだ後に筆者の顔写真を見ると、内面はやはり人を映し出すんだろうなと感じた。研究を基に書かれていたり、筆者が体験した内容を基に書かれているからしっくりくる内容も多く、久々にいい本に出会った。新たな発想を得られた部分も多いし、共感出来た部分も多かった。とりわけ一番の共感部分は、人生において快楽の要素と意義の要素のバランスが大事という部分。この本がベストセラーになるということは、共感している人も多いと言うことだろうし、心の平穏な人が増えるといいと思う。特にこのコロナ禍で、しょうもない事件や火事場泥棒のニュースを見る度に胸が痛む。この本の言葉を借りれば、「世界の出来事は、あなたの責任ではない。」とは言うものの。努力が大事と言う精神論的な自己啓発書も多い中、どちらかと言えば時代だったり生まれた国だったりと自分では変えられない不可抗力も多いんだから肩の力抜こうよ的な感じも悪くない。与えられた今の幸せに気付くことから始めないと。学べる環境なのだから謙虚に。日々の努力を続けよう。

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