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1分で話せ ~世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術~

著者:伊藤 羊一

ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト(ITや最新テクノロジーをユーザー向けに説明や啓蒙する人)で、企業内大学Yahoo!アカデミア学長。株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒業。日本興業銀行に入行後、企業金融、事業再生支援に従事。プラス株式会社を経て、ヤフー株式会社へ転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービズ経営大学院客員教授としての顔を持つほか、多くの大手企業やスタートアップ育成プログラムでメンターやアドバイザーを務める。

本書はプレゼンの方法や想定される営業場面を用いながら、簡潔に話す方法や効果的に考えを相手に伝える方法について書かれた指南書である。ロジカルシンキング分野の考え方「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれる思考法に基づいての説明や想定される場面ごとの伝え方が分かりやすく書かれている。「1分で話す」為には、洗練されていて分かりやすくないと伝わらないと思うが、その筆者らしく分かりやすくて読みやすい内容となっている。人前で話すのが苦手だったり、上司から意見を振られると思ったように答えられない人におススメ。すぐには実践できないにしても、本書の考え方を理解し、反復すれば出来るようになると思う。

ここからは私の感想。(本を読んでから見てください。)

当然と言えば当然であるが、サラリーマンにとって、サラリーマン出身の社長の話は共感出来る部分が多い。自分が経験している話と言うのは、生きた言葉で説得力を持つ。雇われる側で働いた経験があって人を雇う為、相手の立場を理解して行動をすることが多い。プレゼンでも同様に、いかに聞き手の立場に立ってプレゼンを構成して話をするかが重要である。特に重要となってくるのは、聞き手に想像させ、イメージを膨らませる作業。これは、聞き手の立場にならないと絶対に出来ない。相手が変われば、話の内容も変わる。話し手のエゴを削り、聞き手に聞かせることに重きを置けば、内容は自然と洗練されてくる。どうしてもスマートな出来る人を演じる為に、横文字や難解な言い回しを多用する人もいるが、相手に伝わらなければ意味がない。政治家のように権威を示す場合は、そう言った言い回しが有効なのかもしれないが、一般的な営業やプレゼンは別である。いかに短くてすぐに伝わるような凝縮された言葉を選ぶか。相手が何を求めているのかを察するか。話の上手さは、相手を見ながらの「まとめ力」なのかもしれない。それが、共感を呼び、聞き手に想像させ、内容を理解させる。まとめ作業には全体を把握する必要があるし、万全の準備が必要となってくる。すぐには出来ないかもしれないが、日々の努力を続けよう。

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