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嫌われる勇気

著者:岸見 一郎さん、古賀 史健さん

(岸見 一郎さん)哲学者。心理学者。京都府生まれ。京都大学の大学院で哲学を学び、複数の大学で非常勤講師を務める。専門の西洋古代哲学と同時にアドラー心理学を研究。日本アドラー心理学会認定カウンセラーで、日本アドラー心理学会顧問。

(古賀 史健さん)ライターズ・カンパニー batonsの代表取締役社長。福岡県生まれ。一般誌やビジネス誌のライター、出版社勤務を経て、書籍のライター、社長として活躍。

本書はアドラーの思想を哲人と青年が対話する形で紹介する。ユング、フロイトと並ぶ心理学三大巨頭のアドラー。アドラーの教えとして、人は変われると言うことを説いており、同時に、変われるからこそ幸福になれると言うことを教えてくれる。また、全ての悩みは対人関係ともアドラーは話しており、自分と他人を切り離して考える思考法も書かれている。哲人が話す内容は少々理解に苦しむ内容もあるが、教えを知らない読者を代弁する形で青年が自身の意見を反論する。しかしながら不思議と、後半にはアドラーの教えが読者、青年共にスッと入り込んでくる。最初は青年側の立場で読み進めていたのに、後半には哲人側の立場にいるという不思議な感覚。部下の扱い方や対人関係に悩んでいる人におススメ。良書。

ここからは私の感想。(本を読んだ後に見て下さい。)

最初は「トラウマは存在しない」、「すべての悩みは対人関係」など極端且つ暴論とさえ思っていたが、読み進める内に腑に落ちる所があり、最後にはアドラー心理学に興味を持っている自分がいた。また、大衆が考える一般論を青年が代弁してくれる所に共感出来ると思ったら、その後にアドラーの教えで覆されるのにものめり込んでしまった。アドラーの心理学を完全に肯定することは出来ないにしても、こういう考え方に触れることは大事だと感じさせられた。特に共感が出来た部分は、自分と他人を切り離して考えること。「馬を水辺に連れて行くことは出来るが、水を飲ませることは出来ない。」と言うのは、自分と他人を切り離して考える例としては非常に分かりやすい。周りが出来るのは、あくまで水を魅力的に見せたり、馬が水を飲みたくなるように喉を渇かせたりとサポートするくらいだ。私も他人に興味がないと周りから言われることもあるが、物凄く他人に興味があるし好きだし、干渉しないだけである。他人の人生を生きずに、自分の人生を生きる。自己肯定感の強さが幸福感に繋がるだろうし、誇れる自分を作る為に日々の努力を続けよう。

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