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ゼロ ~なにもない自分に小さなイチを足していく~

著者:堀江貴文さん

「ホリエモン」と言った方がしっくりくるだろうか。実業家であり、投資家、執筆家、You Tuberと活動は多岐に渡る。著書もかなりの数を執筆している。生まれは福岡県八女市で、久留米大学附設中学・高校を経て、東京大学へ入学。大学を中退して、オン・ザ・エッジを設立。東証マザーズに上場後、経営破綻をした旧ライブドア社から営業権を買い取り、ライブドアへと社名変更。同氏はライブドアの連結決算で有価証券虚偽報告をしたことにより、証券取引法違反容疑で逮捕された経歴も持つ。いずれも失敗に終わっているが、球団買収計画やニッポン放送買収計画を企てたり、総選挙へ出馬して落選したりと話題に事を欠かない人物である。

本書は、そんな著者の生まれた環境やホリエモンの原点、等身大の堀江氏が描かれている。テレビやネットニュースで掻い摘んで見える部分とはまた違う、不器用で素直なホリエモンが見える。今、皆さんがお持ちの印象から読んだ後は、全く違った印象を受けることを約束する。書かれた時期も刑務所を出所した後なので、題名の通り「ゼロ」からのスタートであり、内容に説得力があるのは、経験がものを言っているからだと思う。自身の経験談を基にゼロからイチをプラスしていく考え方、失ってもマイナスにはならないとの教訓が書かれている。なかなか行動出来ずに躊躇っている人、自分の仕事に疑問を感じている人へ背中を押してくれる一冊。

ここからは私の感想。(本を読んでから、見てください。)

冷徹な合理主義者で金の亡者。こういうイメージを持っている人も少なくないと思う。私は同氏の著書を何冊か読んでおり、オンラインサロンにも入会した経験があるので、世間のイメージとはまた違う印象を持っている。この本を読んだときもホリエモンの不器用さだったり、素直さが見て取れて好印象であった。会議中に携帯を扱ったり、電話には出ないと断言したりと極端な発言も多いが、理に適っていると思わされることも多い。実際に多くの人が同じことを出来るかと言えば否だし、彼の発言が間違っているかと言えばまた否。環境が違うのだから、それぞれが与えられた立場で考えて行動すればいいのであって、他者を否定する発言はナンセンスに感じられる。人間の気持ちなんか分かるわけないとの発言は、その通りだし、分かった気になっているだけで、本質は分からないと考えさせられた。また、行動することの必要性も頭では分かっているつもりだが、行動出来ていないのが事実。毎回ゼロに掛け算をしようとしてしまうが、ゼロにゼロを掛けた所でゼロ。足し算をすることを覚えなくてはいけない。日々の努力を続けよう。

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