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FACTFULNESS ~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣~

著者:Hans Rosling(ハンス・ロスリング氏)with Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund(息子夫妻)

スウェーデン出身の医師で公衆衛生学者。スウェーデンのウブサラ大学で統計学と医学を学び、インドの医科大学で公衆衛生学を学ぶ。医師免許取得後はアフリカのモザンビークで医師として従事。自由にアクセス出来る公共統計の利用と「事実に基づいた世界観」を促進することを目的として、息子夫妻と「ギャップマインダー財団」を設立。

本書は公衆衛生学者であるハンス・ロスリング氏が息子夫妻と共著で著した一冊。世界の多くの人が間違えるであろう勘違いした常識を、データを用いながら正していくといった内容。世界各国の研究者や医師、様々な人を対象とした13問の三択問題の正答率を基に話は展開。序章は経済、環境、人口に関するこの問題を読者にも回答させる形式でスタート。筆者が集計した結果では、地球温暖化に関する問題(正答率86%)を除いた12問の平均正答率は2問。チンパンジーが無作為に選んだ結果でも、理論上は4問正解する計算になるので、人が何も知らないというよりは間違った認識を持っていると結論づけている。そして、人が持つ10種類の本能について説明、それらを乗り越え、データや事実に基づいた"FACTFULNESS"を実践する方法が述べられている。筆者の述べる通り、常識と思っていたことが覆られる爽快感、自分の無知や思い込みに気付かされる一冊。論理的思考力に欠けたり、人に説明するのが下手な人には是非、読んで頂きたい。

 ここからは私の感想。(本を読んでから、見てください。)

まず、正しい事実であるのは、世界は豊かになっているということ。貧富の差は出ているにせよ、貧しい生活をしている人の割合は減ってきていて、アフリカでもスマホが普及していたり、東南アジアもどんどん発展しているという事実。これまでは、漠然とした知識でしか知らなかったが突き詰めると事実に気付かされる。データのアップデートをしないといつまでも脳内は止まったままで、現実のギャップが大きくなっていくばかりだし、時代にどんどん取り残される。情報社会の今、過去の時代の人が一生分で得られる知識が、一週間で得られる時代。世界は変わっていくのだから、自分が適応しないといけない。この本を通して、歪んでいた知識を正されたのは勿論、物事を多角的に正しく見ることを意識するようになった。情報の取捨選択がより一層求められるし、情報弱者は淘汰される。コロナ禍でも同様。不安や危険が多い時こそ、人は冷静さを失うし、デマも流れやすい。こんなときこそ情報を精査し、惑わされない頭を持とう。昨日の自分より今日の自分。今日の自分より明日の自分が賢くなるように、日々の努力を続けよう。

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