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イシューからはじめよ

著者:安宅 和人さん

富山県生まれ。慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社CSO(チーフストラテジーオフィサー)でデータサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院 生物化学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼーに入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学し、学位を取得した後、マッキンゼーへ復帰。2008年よりヤフーへ転職し、2012年から現兼務。

本書は、圧倒的に生産性の高い人に共通する思考法について、筆者の経験を基に書き上げられたものである。一心不乱に大量の仕事をすることで、イシューを解決しようとすることに異を唱え、イシューの本質を見極め、適切な思考と手順で生産性を上げる方法を紹介する。序章で考え方を説明、第一章で問題の見極め方「イシュードリブン」、第二章でイシューの分解とストーリーラインの組み立て「仮説ドリブン①」、第三章でストーリーを絵コンテにする「仮説ドリブン②」、第四章は実際の分析を進める「アウトプットドリブン」と続き、最後の章で伝えるものをまとめる「メッセージドリブン」という章で締まる。戦略コンサルであり、研究者の顔も持つ筆者の知的生産の思考法。習得出来れば仕事の質が上がるのは間違いない。

ここからは私の感想。

考え方が分析的でコンサルチックな印象を持った。論文を書いたり、資料作りの考え方としては参考になると思うが、仕事による所が多い。営業職にとっては問題の分析をするのには多少役立つと思うが、本書の思考法が実践出来ても生産性が格段に良くなるとは思えなかった。「エッセンシャル思考」に共通する部分もあり、問題の本質を見極め、情報収集や仮説の立て方に言及しているが、第一章だけで考え方の内容は掴めると考える。考え方が応用出来るとすれば、何事も本質を見極め、適切なアプローチが必要だということ。解決すべき問題の本質が一番重要であるので、ここの見極めに一番時間を割き、問題の原因が何であるかをしっかりと分析する。その解決に時間や労力でカバーしようとする「犬の道」は避けるべきと本書に出てくるが、その解決には時間給ではなく、成果主義の方が無駄が省けると個人的には考える。結局、時間給であれば仕事のペースや効率に重きを置かない「犬の道」を通る土台のシステムであるので、そのシステム自体を変えなければイシューの解決にならないと考える。将来、成果主義や年俸制に変わった時に、皆本気で考えるのだろう。日々の努力を続けよう。


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