見出し画像

一兆ドルコーチ

著者:Eric Schmidt(エリック・シュミットさん)、Jonathan Rosenberg(ジョナサン・ローゼンバーグさん)、Alan Eagle(アラン・イーグルさん)

(エリック・シュミットさん)元グーグル会長兼CEOでグーグル経営執行役会長。また、グーグルの持株会社アルファベットの元経営執行役会長。その後は、グーグルとアルファベットのテクニカルアドバイザーを務める。

(ジョナサン・ローゼンバーグさん)グーグルの上級副社長としてプロダクトチームの責任者を務めた後、アルファベットのマネジメントチームのアドバイザーを務める。

(アラン・イーグルさん)グーグルでディレクターとしてエグゼクティブ・コミュニケーションの責任者、セールスプログラムの責任者を歴任。

本書は、2016年に亡くなったビル・キャンベル氏について書かれた伝記兼ビジネス書と言った所か。ほとんど表舞台に出てくることが無かった為、名前を聞いても顔が浮かばない人も多いかもしれない。恥ずかしながら私もその一人だ。しかし、彼の功績は題名にある通り一兆ドル、いや、それ以上の価値をシリコンバレーに残しており、本を通して彼の人間性がひしひしと伝わってくる。著者は上記の三人となっているが、制作の為にインタビューを受けるなどして携わった数は80人以上とのこと。これだけでも彼が周りからいかに慕われていたかが分かる。伝記の要素も多いが、各ストーリーの最後に著者がその話から得られる教訓や戒めをまとめる形になっている。数々の錚々たるメンバーにコーチとして慕われていたビル・キャンベル氏。組織で働く為の意義、経営者や管理職の在るべき姿が物語と共に学べる一冊。是非、立場ある人は手に取って自身を顧みてはいかがだろうか。

ここからは私の感想。

この本を手にするまでビル・キャンベル氏の存在を知らなかったが、ここまで人から慕われていると、会わずとも人間性が窺える。この本が、精神論や論理的な思考によるマネジメントの方法でなく、人間性や愛による人間味溢れる物語になっていたのも清々しい。それだけでなく、ビジネス面でも参考になる教訓も同時に得られる。彼は本気で他者を知ろうとしたし、見る目があったからこそ的確なアドバイスが出来たのだろう。本の中に「するべきこと」を指図するな。物語を語り自力で最適解に辿り着けるように導け。とあるように、決して押しつけがましくなく、相手に本当に必要なものを考える。相手側に立ち、利他的な精神がここまでの信頼に繋がっている。本当の愛を持って仲間に接したからこそ、その愛が愛と言う形で戻って来たのだろう。表面的ではなく、心から他者に対して敬意を示していないとここまでの成功はない。それを周りからの信頼という形で証明している。スポーツやコーチ経験、多くの失敗が彼の人間という厚みを作ったのだろう。人から慕われる。これほどの喜びはない。日々の努力を続けよう。

最後までご覧頂き、有難うございます。 頂いたサポートのバトンは、他の方をサポートする為の バトンとして回させて頂きます。