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頑張り屋がつかんだ中央初勝利!おめでとう、ハートホイップ!

ある人は言いました「諦めたらそこで試合終了ですよ」と。幾度も困難に見舞われながらも、逃げずに乗り越えてきたハートホイップ。「諦めない心こそノルマンディー魂」ついにおとずれた歓喜の瞬間、2024年7月13日函館12R1勝クラス芝1200戦、第20戦目を振り返っていきます。

万全を期して挑んだ2024年函館初戦がまさかの10着。連闘で挑んだ2戦目は永野たけぞー騎手の積極的な騎乗に導かれて2番手から惜敗の2着と躍進。そこから3週間、一旦美浦へ戻して再度函館入りをしての函館3戦目となりました。

追い切り時計は上々で仕上がりの良さを感じさせており、当日の馬体重は+2kgの490kg。パドックは未確認ですが、漏れ聞こえるXでの声を加味すると、あまり気合いをみせず落ち着いた、いつもどおりのハートホイップだったと想像できます。

13頭だての11番枠、Bコース変わり2週目と考えるとほどよい枠を得た中、静かにゲートに入り、いざスタート。いつもどおり安定した発馬でダッシュを決めると、内から主張する3歳牝馬50kgのギルティプレジャーを横目に見ながら、外目2番手をたけぞー騎手は選択します。

前半3Fのラップは34.5、2番手ハートホイップは34.8。理想的な流れでレースは進み、4コーナーへ。しかしここで早めに前を捕まえようと、外から1番人気8番ビッグパレードが進出。プレッシャーをかけられ内へと押し込まれ、順位入れ替わり、3番手で勝負の直線へと向きます。

目の前には逃げる9番、外から進路を消しにかかる8番、その2頭に遮られ、残り200を過ぎても苦しい状況が続きます。状況動いたのが残り150。たけぞー騎手が逃げ切りをはかる9番の内へ進路を向けるとハートホイップはしっかりと反応、荒れ気味の内ながら前方はクリアになります。残り100、あと1馬身。残り50、馬体併せる。「絶対に勝つ!」人馬の意地がライバルを上回り、一歩前へ。そしてクビ差抜け出したところがゴール!2021年7月10日のデビューからちょうど3年、悲願の中央競馬初勝利を掴み取りました!!

『よし今日も出た!2番手いいよ、いいよ!34.5、ちょうどいい!いい!外来た、大丈夫、大丈夫、さぁこっから!いけ〜!いけ〜!よし空いた!いける〜!いけるっ!!・・・・・・・(号泣)』という歓喜の瞬間を迎え、ここからは個人的な感想を書き綴っていきます。

まず最初に言いたいこと。『早めに並びかけたら怯むでしょ、って絶対に思ったでしょ、丹内騎手!』です。4コーナーで外から捲り気味に仕掛けてきた1番人気8番ビッグパレードの鞍上は、何度もホイップの手綱を取ってくれた丹内騎手。この馬を捕らえれば勝利と考えていたはずです。馬体を併され、一旦前に出られようともズルズル下がることなく、むしろ闘志むきだしで丹内騎手を競り落としたハートホイップ&たけぞー騎手。これまで積み上げてきたものの集大成といえる立派な競馬でした。ちなみに、岩手競馬卒業を決めた2勝目のレース映像がこちら。村上騎手が教え込んでくれた競馬でもあるんですよね。

続いてたけぞー騎手の好騎乗。逃げて2着の8番が前半34.6-後半35.6。勝ったハートホイップが34.8-35.3。これ以上遅いペースだった場合は34秒台の末脚勝負だったはずで、前半3Fのラップを見た時、「これはいける!」と思いました。ハナを奪いにいかず、かつラップを落としすぎない、たけぞー騎手のペース配分が勝利につながったと考えています。そして、直線での内への進路選択。荒れ気味の馬場を躊躇して無難に逃げ馬の外に出していれば、おそらく競り負けていたはず。当日を含めて函館で逃げ・先行に拘った騎乗を続けてきたたけぞー騎手だからできた強気の好判断。これが最後のクビ差を分けたと思います。

好判断といえば美浦へ戻した蛯名利弘先生。前走後、「函館在厩でいいんじゃないの」いう声が多く聞かれる中、使える調教コースやスタッフなどを考慮して、中2週での函館→美浦→函館を敢行。移動疲れで成績を落とすリスクもある中、昨年の経験を糧に最善の策と信じてやりきってくれました。ただ、「これがハートホイップに最善!」と思っても、成績上位で入厩馬が逼迫している厩舎ならこの判断はなかったと思います。岩手からの復帰が決まり、所属厩舎を不安視する声は多くありました。私は「それなら俺たちが全力で後押ししてやんよ!」と信じて応援してきたつもりです。結果で応えてくれた利弘先生に感謝です。

歓喜の直後から、喜びで手は震え、嗚咽が止まりませんでした。BS11の競馬中継で「勝ち馬ハートホイップ」が読み上げられ、命名者としてこれほど誇らしいことはありませんでした。そして、私しらべるとのXにたくさんのおめでとう&おたおめ&いいねが続々と届き、出資者ではない方々からも「ハートホイップ、よく頑張った!」とポストが並び、それが嬉しくて嬉しくて。7年間のノルマン人生で最高の瞬間を迎えることができました。温かいコメント、本当にありがとうございました。

続いて、今回も函館にかけつけてくださったXネーム・PSPS-KIZUNAさん撮影の素晴らしい写真を。思い返せば、デビュー戦で撮影してくださった写真に「ブログで使用させてもらっていいですか?」をお願いしたのが最初のご縁。「いつの日かPSPS-KIZUNAさんにウイナーズサークルに立つハートホイップを撮影してもらいたい」と願っておりました。遂に叶いました。口取り写真、ホイップ本人も「PSPS-KIZUNAさんやったよ!」って言ってますよね。一緒に掴んだセンターの座、「おたおめです!」と言わせてください。ありがとうございました!

photo by PSPS-KIZUNAさん

長文お付き合いいただき、ありがとうございました。この勝利はもちろん嬉しいですが、戦いはまだまだ続きます。次走への期待はありますが、まずは激闘の疲れを癒し、元気に次へ進めることを願っています。どんな時も真面目で一生懸命なハートホイップ、あなたと出会えて本当によかったです!

最後に、ハートホイップを中央初勝利に導いてくださった、永野猛蔵騎手、蛯名利弘先生とスタッフのみなさん。そしてハートホイップにこれまで関わってくださった全てのみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございました!

みんなで掴んだ初勝利、ハートホイップ、おめでと〜!!!